月刊「ドラマ」別冊 『シナリオの書き方 ~映画・TV・コミックからゲームまでの創作実践講座~』 柏田道夫 著

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  • 映人社; 不定版
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  • / ISBN・EAN: 1103548071200

感想・レビュー・書評

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  • "映像で語る"ということ
    ありきたりのシーン、描写を避け人物を常に動かす

    ①シーン展開の自在性(時間と空間)
    誰でも思いつくようなありきたりの場所に人物たちを置くのではなく、映像的に面白い空間を設定する。もちろん、その空間、場所であることに必然性がなくてはいけない

    ②カメラのアップ、ロングの自在性
    「怒っているんだ」と台詞で言わせるよりも、震える拳をクローズアップすることで表現できる

    ③小道具の有効性
    言葉で伝えるよりも強いもの 碧洋のハート(タイタニック) 浮気現場の写真

    ④モンタージュの利用
    A×B=C

    ⑤カットバックの駆使


    セリフ
    フライタークのセリフの役割
    ①事実を知らせる
    ②人物の心理、感情を表す
    ③ストーリーを展開させる

    セリフの機能
    ①物語の進行方向に進んでいること
    ②人間の言葉であること
    ③魅力のあるセリフであること
     "強調"や"飛躍"を加える
    ④簡単明瞭であること

    説明セリフを避けるために
    ①人物を置く柱を考える
     八百屋なら八百屋にたたせろ
    ②ト書きや小道具を組み合わせる
     浮気の話と生け花
    ③削る
    ④ひっくり返す
    ⑤たとえる
    ⑥嘘をつかせる


    素材からアイデアへの昇華
    ①鮮度
    ②疑う(裏返す、ひねる)
    ③連想(拡大)
    ④組み合わせる(反対)

    すぐにストーリーを作ろうとせずに中心となる3つを固める
    テーマ
    キャラクター
    シチュエーション

    テーマ
    「愛」はテーマにならない、もっと具体的なもの

    モチーフと取材が類似作を超える勝因となる

    キャラクター
    ①人物の履歴を作る
    ②具体性を与える
    ③二面性を与える
    ④一般人が持ちにくい"個性"を与え、できないことをやってしまう
    ⑤一般人に共通する"感性"を与える
    ⑥プラス面の中に"欠点"を加える
    ⑦マイナス面の中に"利点"を加える
    ⑧人物に「動機」と「目的」を与える
    ⑨人物を戦わせる、必死にさせる
    ⑩脇役は個性一点を強調すること

    場面としての見せ場と人物としての見せ場

    見せ場となるシーンは「どこかで見たような場面だけは絶対に書かない」 ex.ジャッキーシェンのアクションシーン

    人物としての見せ場
    行動から導かれる見せ場と性格から導かれる見せ場


    見せ場にできる効果的な12の局面
    ①出会い
    ②別れ
    ③ラブシーン
    ④アクションシーン
    ⑤スペクタクルシーン
    ⑥美しい情景、人物など
    ⑦対立、葛藤、ケンカ、勝負
    ⑧危機、サスペンス、スリル
    ⑨ショック、恐怖、残虐シーン
    ⑩ミステリー、秘密、謎の提示と暴露
    ⑪未知の世界
    ⑫よく知っている積痾、状況
    ex. ジョルジュ・ポルティの36局面

    知っている人たちには「でたらめだ」と拒絶されずに、知らない人たちには、おもしろく分かりやすく伝える。これがリアリティを与えるということ

    箱書きを作る
    書こうとする作品のアイデアが浮かび、描くべき芯となるテーマを固め、登場人物について造形して、それからアウトラインのストーリーを作る。それをもとに、クライマックスの「転」と着地点の「結」から、最も効果的な物語の導入部の「起」を考える。さらに半分以上を占める「承」に「見せ場」を配置しながら、全体の構成を考えていく

    見せ場配分式構成法の12のチェックポイント
    ①捨てる勇気を持つ
    ②直した過程を残していく
    ③何を一番書きたいのかを確認する
    ④各エピソードのボリュームを見直す
    ⑤主人公の視点のブレをチェックする
    ⑥ひとつの項目に2つ以上の要素が織り込まれているか?
    ⑦ハコ、エピソード、シーンごとのおおよその枚数を割り出す
    ⑧謎・秘密・嘘が配分されているか
    ⑨謎・秘密・嘘をどこで明らかにするか
    ⑩伏線が張られているか
    ⑪省略できるシーンはないか
    ⑫意外性はどこにあるか

    <起>の注意点
    ①アイデアのあるシーンを作る
    ②核心から切り込む
    ③説明しようとしない
    ④主人公を印象づける
    ⑤人物を動かす
    ⑥事件の中に人物を放り込む
    ⑦主人公と主要人物をぶつからせる
    ⑧隠し事をさせる

    主人公の視点のぶれをチェックする

    ひとつの項目に2つ以上の要素が織りこまれているか?

    誰の視点なのか?

    ストーリーを先に作って人物を当てはめようとするな。人物がその状況に立たされた時に、どう行動するか、それを考えることからストーリーはできてくる

    謎・秘密・嘘を配分する

    不思議なもの、答えがはっきりと見いだせないもの、秘密や謎を提示されると、その答えを知りたい、という欲求を(観客、視聴者は)抑えられなくなる

    伏線が張られているか?
    伏線を考えるひとつの決め手こそが「視点」をどう置くか、ということと、そこから「謎・秘密」を考えることから見つかる

    団子の串刺しから複合的シーン組みに

    嘘のセリフがいくつあるか

    見える部分としての映像表現に対して、見えない部分を観客、視聴者に想像させる手法が、もう一つの映像表現としての「省略」

    時間経過はただシーンを並べるのではなく、省かれたことを観客に想像させるための「省略」という大切な映像手段

    「省略」から「飛躍」へ

    シャレード
    何かを象徴として示すことによって、そのいわんとする意味が伝達される。その何か=ありきたりでない映像表現
    ①人物に対して
    ②場所に対して
    ③状況に対して

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著者プロフィール

小説家、脚本家、劇作家、シナリオ・センター講師。
95年、歴史群像大賞を『桃鬼城伝奇』にて受賞。同年、オール讀物推理小説新人賞を『二万三千日の幽霊』にて受賞。
映画脚本に『GOTH』『武士の家計簿』『武士の献立』『二宮金次郎』『島守の塔』など。
著書に『しぐれ茶漬 武士の料理帖』『面影橋まで』(光文社時代小説文庫)『猫でござる』①②③(双葉文庫)ほか多数。

「2023年 『劇的! 小説術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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