- Amazon.co.jp ・電子書籍 (254ページ)
感想・レビュー・書評
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シェイクスピアその2はハムレット。こちらは有名な台詞のいくつかは知っているが、ストーリーについてはまったく知らなかった。そうか、こういう話だったのね。『ロミオとジュリエット』は悲劇であるにも関わらず楽しく読めたが、こちらは楽しむ余裕などまったくないひどい話で、しかも読んでも読んでも進まない。シェイクスピア最長らしい。本書は野村萬斎さん主演の舞台のために訳されたそうだが、この膨大な台詞を覚え芝居をする人達もすごいなと改めて思った。kindle unlimitedにて。
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100de名著でおすすめの訳本として紹介されていたので読んだ。なるほどこれだけ解釈に幅を持たせる話の展開であれば400年以上読み継がれ、研究されてきたのも頷ける。QとFという2つの版がある事も議論に幅がでる原因だろう。
これを読むと、確かにハムレットはひ弱な青年という印象は消える。屈強だがタイミングの悪い男というところか。親の仇とはいえ人1人殺すって相当な選択だし、クローディアスに(表向きだけかもしれないが)不遇な扱いを受けていた訳でもないので、あの程度の煩悶は普通ではないだろうかと思う。
レアーティーズがあれだけ話に関わってきた割に最後はあっさりとした下手人になっちゃったなぁと言う感想。 -
劇台本かつ詩を小説的に読んだもイマイチっつー話かね
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是非とも舞台で観たい。
主人公ハムレットは父が死ぬ以前は王子様然とした人物だったようですが、私は物語が始まって以降の、叔父が王位につき、母が再婚したことによって疑心暗鬼と厭世観にまみれた彼の姿しか見ることができていないのだろうな。復讐のために芝居を打つなど理智的で豪胆な人物であると思う。しかし亡霊の主張を直接聞いたのは彼のみなので、王殺しの真実は彼の猜疑心の反映である可能性も。ハムレット自身も疑っている。そうこうしているうちに復讐は決闘へともつれ込み、多くの者を巻き込む。バタバタと人が死んでいく怒濤のクライマックスは壮快だったので(何より目当ての王、そして妃を殺せたし)、ハムレットという惜しい人を亡くしたことが個人的に悲劇。オフィーリアはとばっちりだったね。
ハムレットはかなり毒舌家でもあり、全部ひっくるめると大変面白い人物造形なので読む前と大分印象が変わった。漫画等の影響か?もっと線の細いビジュアルのイメージがあって、ああいうのはロマン派によるイメージとのこと。
全体的に台詞回しが面白かったし、亡霊さんの存在が冒頭から物語に引き込んでくれた。 -
P207やめてくれ。演技担ぎは。なしだ。雀一羽落ちるのにも神の摂理がある。無常の風は、いずれ吹く。今吹くなら、あとでは吹かぬ。あとで吹かぬなら今吹く。今でなくとも、いずれは吹く。覚悟がすべてだ。生き残した人生など誰にもわからぬのだから、早めに消えたところでどうということはない。なるようになればよい。
ハムレットのこの台詞が好きだ!
名前の語源[編集]
ハムレットという名前はサクソ・グラマティクスによって書かれた13世紀のデンマークの歴史書のなかにまとめられた「アムレート」に由来する。それはフランソワ・ド・ベルフォレによってL'histoire tragique d'Hamletとして広まり、イングランドでは「ハムブレット」と訳された。アムレートの話は、何世紀か前の古ノルド語あるいはアイスランドの詩から生まれたと想定されている。サクソは古ジュート語のAmlethæのラテン語の形であるAmlethusを用いる。語源学の観点からすると、古アイルランドの名前 Amlóðiは、「道化」を意味するアイスランド語の名詞 Amlooiからきている。そしてそれは、ハムレットが劇のなかで演じたやり方を連想させる。後にこれらの名前はアイルランドの方言Amlodheに組み込まれた。 発音の規則が変わるにつれて名前の綴りは変化し、最終的にAmlaidheとなる。 このアイルランドの名前は一般的な民話のなかではヒーローにつけられる。この名前の根源は「激しい、猛烈な、荒っぽい」である[1]。
野村萬斎さんのあとがきに「パブリックアイデンティティー」との言葉があったが、まさしくシェイクスピアの描く人物はそれについきる -
野村萬斎による上演を前提とした新訳。
音読してみると独特の調子が感じられる。
複数の台詞が韻律上ひとまとまりになっているのかわかるように字下げされているのもおもしろい。
チャンドラーの 長いお別れ でハムレットが引用されていたのを、確かめたくて読み始めたが、つい引き込まれて読んだ。