- Amazon.co.jp ・電子書籍 (430ページ)
感想・レビュー・書評
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結末は予想外で、良い意味で裏切られた。
全体を通して流れる冷たい冬の空気感と、非日常の高揚感には、誰もが思い当たる節があるはず。
謎解きの面白さと青春のもどかしさを同時に味わえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者のどんでん返しを考え、これには裏があると思い、裏があると思わせてきっとそうではない、と考え、裏の裏は表とは限らないとか、とにかく、読んでいる間中、思考が逡巡する楽しさを十分に味わいました。
下巻に入ってからの、徐々に見通せるようになる作中の景色、そして、解決が見えてからの、冷たい雪が解けていくような暖かさを感じながらの怒涛の展開。
やはり、辻村深月の始まりはこの作品だったのだなと、確信と感心しました。
時間の使い方、登場人物の現れ方、後々の作品に生きているように思います。
過去の多様な暗部も、生きていく過程では糧に変わっていくような、この作者の作品を読んで最も感じることは、明日も生きていこうと思えること。なんかいろいろあるけど、人生捨てるほど悪くはない、と思えること。
「HERO」の章がほかの章より長いなあ、と思いながら読んだのですが、そうか、そういうことだったのか、と納得しました。
私は、本作品、とても楽しめました。
暗夜を乗り越えて朝日を浴びたような読後感。
沢筋を詰めて、尾根をあがり、山頂直下で一泊、山頂で拝んだご来光。
そんな登山の行程を感じ、強い爽快感を覚えたのです。 -
私は、この校舎の中に8人が閉じ込められたことは悪いことではなかったと思う。ここに来たことによって、本当の事実を知れた。未来が変わったと思う。みんなの過去が泣きそうになるほど深かったし、ここで起きたことも心に刺さったけれど、深月のこと、春子のこと、みんなのことを知れた。大切なものに気がついた。最初と最後では、明らかにみんなの態度や「何か」が違う。そう思う。話題を変えて、私は景子さんがかっこいいと思った。自分と前向きになって、目をそらさない姿勢が尊敬できる。言葉遣いからかっこいい笑
そして、本当に、深月が楽しそうでよかった。ただそれだけ。 -
かなりの長編作品ですが、読み飽きない。
先が気になりページをめくっていました。