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感想・レビュー・書評
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芥川龍之介がリボーンさせた大人向け桃太郎。
決して、けっしてお子様には読み聞かせなさらぬよう。
芥川の桃太郎は強欲でケチで乱暴者。
ある日、突然、鬼退治を思い立った。
おばあさんに無理やり作らせた、きびだんごを餌に、犬、猿、雉を子分につけて、鬼ヶ島に赴く。
そして、鬼ヶ島で幸せに暮らしていた鬼たちを次々に殺していくーーー。
『桃太郎』だけではなく、他のおとぎ話もやり玉に挙げながら、ひりりとする皮肉に満ちた芥川版『桃太郎』。
大正の時代に書かれたのだが、現代にも通じるのが悲しい。
「倒すべき敵」は、「倒す側」によって創られることもある。
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「生々しすぎる桃太郎」といった感じでした。
とても小さい子どもたちに読み聞かせてあげようとは思わない内容です。
自分はとても楽しめました笑
もうどっちが本当の鬼か分かりません。
桃太郎が鬼退治を決心するに至る理由も全然カッコよくありませんでした。
そして、おじいさんとおばあさんも桃太郎を心配するどころか、早く出て行って欲しいという始末。
この桃太郎はどれだけクズなんだと思いました。
出てくる鬼たちも、別に人間には危害を加えていないというのでビックリしました。
鬼たちの方が可哀想です。
このような昔話の芥川龍之介verはとても好きなので、また読みたいです。
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おそろしいはなしです。
芥川龍之介の書いた変わり種「桃太郎譚」。青空文庫で10分ぐらいで読めます。
黄泉比良坂でイザナギが追っ手を防ぐために撃った桃は1万年に1度成るというもの。その桃は核に赤ん坊を孕んでいたそうな。
そこから産まれた桃太郎。現在人口に膾炙している彼とは真反対、ニートの食いつぶし、サイコパス紛いになって、平和に暮らしている鬼ヶ島へ侵略戦争を仕掛けるというお話です。
降参した鬼が桃太郎に、どうして私たちを征伐に来たんですか?と尋ねた時に桃太郎はこう答えています。
「日本一の桃太郎は犬猿雉の三匹の忠義者を召し抱えた故、鬼が島へ征伐に来たのだ。」
「ではそのお三かたをお召し抱えなすったのはどういう訣でございますか?」
「それはもとより鬼が島を征伐したいと志した故、黍団子をやっても召し抱えたのだ。──どうだ? これでもまだわからないといえば、貴様たちも皆殺してしまうぞ。」
見事な二段論法。まるでどこかの国の首相のようなはぐらかし答弁です。これをどこかの国のパロディとみるのか、どこかの会社のパロディとみるのか、単なるギャグとみるのか、は貴方次第。芥川龍之介はこれを書いた3年後に自殺しているのですが。
大正13年、「サンデー毎日」初出。
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お伽噺『桃太郎』を《本当は怖い桃太郎》と改題したくなるアダルト作品です。一万年に一度実がなる大きな桃ノ木から生れた自称〝日本一の桃太郎〟は怠けてばかりいたので、愛想を尽かした老夫婦は鬼ヶ島征伐に向かわせました。黍団子半分づつを餌に犬、猿、雉を連れて向かったのは、美しい楽園で平穏に暮らす鬼たちの島でした。「悪戯すれば人間の島にやってしまうよ。人間は嘘は言う、欲は深い、焼餅は焼く、仲間同士殺し合う獣なのだよ・・」と子供らに教えていました。そこへ「進め!進め!一匹残らず殺せ!」と攻め入る桃太郎でしたが・・。
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我々が子どもの頃に聞かされた「桃太郎」の話とは似て非なる物語。桃太郎は悪者の鬼を退治に行くのではない。平和に暮らす善良な鬼の社会へ、桃太郎が侵略し、暴虐の限りを尽くす話である。
人間というものの本性を暴いた示唆に富んだ本とみることもできるかも。
超短編。青空文庫で無料。 -
こんな今どきは中学生とかが書きそうな話の流れを、こんな有名人が書くんやねぇ、そうかー、ってまぁふんわかした気持ちになる。
ただ違うのは猿が鬼の娘を陵辱するというわけで、そりゃあ中学生にはやや刺激が強すぎるか、もしくは鬼を全てうる星やつらに脳内変換するとこれまた大変な18禁騒ぎになるから、これ読んで昔の人は興奮してたに違いない。 -
桃太郎の話って、わりと時代によって、都合の良い英雄像で描かれてきたらしい、ということはなんとなく知っている。ので、これが正典桃太郎だ!というものはないだろうとは思う。
その上で、私が長らく「本物だ」と思ってきた昔ばなし桃太郎は、鬼ヶ島からやってきて乱暴狼藉をはたらく鬼を成敗するために、桃太郎が子分を連れて鬼退治に行くのでした。鬼は悪いやつ。
で、芥川の桃太郎は、降参した鬼に「こうなったのも全て、私たちが何か、あなた方のお気に障ることをしたせいだと思うのですが、その罪状は一体何なのでしょうか」と問われると、「ふむ。日本一の俺様が、鬼ヶ島を征服しようと思い、適した子分たちを手に入れたから、俺様は鬼ヶ島にやってきたのである」と答える。鬼ヶ島は椰子の繁る楽園で、平和を愛する鬼たちは、桃太郎一行が来るまでは頗る安穏に暮らしていたのです。
人質にとられて桃太郎に連れて帰られた鬼の子は桃太郎を憎み、成長したのち番人の雉を食い殺して逐電。故郷に戻り若き鬼たちを指導して、桃太郎たちの寝首をかくための襲撃を繰り返す。本国の若鬼たちは椰子の実爆弾の製作に励む。…という負の連鎖が始まったのでした。
古事記と手塚治虫の火の鳥とのダブルコンボを経た私としては、「祖国を悪から救った英雄の物語として小さい頃から親しんできたお話は、本当は政府が都合よく作り替えたデタラメだったのね…!」的なショックを、少なからず受けました。桃太郎自体が事実から生まれた話なのかどうかは知らないからこのショックはナンセンスかもしれないが、ニュースとか、このての情報操作はざらにあるんだろうなあ…と改めて思いました。
これが書かれたのは大正13年。韓国併合はとっくにとっくに終わっている頃で、侵略者としての日本(に限らないけど)に対する批判というか警告というか、そういうことなんですかね。この3年後に自殺。 -
書かれた当時(大正13年)の世相を考えると、桃太郎は日本、鬼は中国、朝鮮ということになるのかな。正義をかざして理を貫くというのは、果たして真の正義なのであろうか。こういう批判は真摯に受け止めるべきと考えるが、当時の政治は受け入れることを良しとはしなかったのだろう。
現代で考えると正にアメリカの正義感を見ているようである。自分達の価値観を押し付けるのではなく、協調し合ってこそ平和が生まれるのではないだろうか。 -
感想放置しすぎて忘れたシリーズ
そのうち再読します……
こんな作品があるんですね。
ちょっと驚きです!
芥川龍之介という人を名前しか知らないので、
こんな作品から手に...
こんな作品があるんですね。
ちょっと驚きです!
芥川龍之介という人を名前しか知らないので、
こんな作品から手にしてみるのも、面白そうだな〜と思いました。
今度、読んでみたいと思います(^^)
短い作品です。
青空文庫ですぐ読めるのでお気軽にどうぞ。
「教科書に載ってる文豪の作品」と、構え...
短い作品です。
青空文庫ですぐ読めるのでお気軽にどうぞ。
「教科書に載ってる文豪の作品」と、構えて読むとイメージを覆されます。
面白かったです。