或る母の話 [Kindle]

著者 : 渡辺温

• 2012年10月1日発売

感想・レビュー・書評

[あいす桃さんの感想 · 2013年8月13日]

『一生、いじらしい処女であった母！』

叶わぬ恋だったかもしれないけど、一生をたった一人の男性へ恋い焦がれるとは。

[丸腰ちゃん.zipさんの感想 · 2023年1月27日]

切なかった。娘としては耐え難いが、生き長らえてほしいとは決して言えない。母が自ら命を絶ったことによってほんとうの母娘であり続けられるような気がするから。

著者プロフィール

一九〇二年（明治三十五）、北海道生まれ。本名温（ゆたか）。推理作家渡辺啓助の実弟。慶應義塾高等部卒、博文館で雑誌『新青年』の編集者として横溝正史のもとで働くかたわら、推理小説、幻想小説を執筆した。博文館の映画プロットのコンテストに応募し、審査員だった谷崎潤一郎の目にとまり小説家デビュー。三〇年（昭和五）二月十日、谷崎のもとに原稿催促にいった帰り、タクシーが踏切で交通事故を起こし、死亡。享年二十七。

「2019年 『ポー傑作集 江戸川乱歩名義訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」