八十日間世界一周(上) (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 150年近く前の話ですが、ワクワクとドキドキが止まりません。さすが歴史的名著だと感じます。本を開いてわずかの時間で、ロンドンのフォッグ氏とパスパルトゥーと一緒に1870年台のイギリス、スエズ、インド、香港、日本、アメリカを旅することができます。現代でも、世界一周するのは大変だと思いますが蒸気船、鉄道、馬車を駆使して2人の世界旅行が続きます。こんなに興奮しながら、本を読むことは久しぶりです。

  • 2021.03.03 八十日間世界一周(上)
     ジュール・ヴェルヌ著「八十日間世界一周(上)」を読みました。著者はフランスの作家で「SFの父」なんて呼ばれている方です。「十五少年漂流記」も著者の作品なのですね。

     主人公はロンドンの社交クラブ・改革クラブのメンバーであるフィリアス・フォッグ氏。彼は上流階級の一員のようですが、その私生活は謎に包まれています。お金を持っていることは確かなのですが、どうやって財産を築いた等、詳しいことは誰も知りません。毎日、決まった時間に改革クラブを訪れ、新聞をチェックし仲間が来るとトランプのホイストがルーティンです。

     そんなフォッグ氏がホイスト仲間との会話から「八十日で世界一周できるか?」という賭けをすることになります。ロンドンからエジプト、スエズ運河を経てインドのボンベイ(1997年からムンバイになりました)、そこからカルカッタを経て香港、そして横浜、横浜からサンフランシスコにつき、陸路でニューヨークへ行き、そこからロンドンへ帰るというルートです。地図を見ながらルートを確認すると、ワクワクしてきました。

     フォッグ氏は賭けをすると決まったその日に、旅に出ます。たまたまその日、フォッグ氏に雇われた召使のパスパルトゥーも連れていかれてしまいます。イギリス人は地理にと賭けが大好きということで、フォッグ氏の旅は新聞に掲載されるほど有名になります。また、フォッグ氏が旅に出る直前に、銀行で五万五千ポンドの盗難事件が起きており、フォッグ氏の急な行動を怪しんだ刑事・フィックスはフォッグ氏を追いますが、この執念深さがルパンを追う銭形警部のようでちょっとほくそ笑んでしまいました。

     旅は先ほどのルート通り順調にはいかず、途中で仲間が増えたり、減ったりとちょっと「ドラゴンクエスト」のような雰囲気もあります。様々な困難がありますが、フォッグ氏は冷静で、全て織り込み済みのような対応をします。本書は先述したルートから外れた上海向かう途中の長江の河口付近で終了となりました。

     本書は1873年に書かれたものですが、150年近く前にこのようなストーリーがあったということに驚かされます。先ほどは「ドランゴンクエスト」と書きましたが、「ONE PIECE」のようなマンガなども少なからず影響を受けているのではないかと思います。下巻が楽しみです。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA89879882

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著者プロフィール

1828年フランス、ナント生まれ。H・G・ウエルズとともにSFの開祖として知られる。1905年逝去。

「2008年 『地底旅行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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