光圀伝 電子特別版 (下) (角川書店単行本) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
4.24
  • (40)
  • (43)
  • (14)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 242
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (333ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いよいよ家督を相続した光圀.
    そして世子を決めるときにとった光圀の行動こそが光圀自身の義であった.
    義を全うした光圀が目指した国とは.
    それが大日本史の編纂へと続いていく.
    水戸黄門としての光圀の晩年までが描かれる.

    私はあまり水戸黄門のドラマを見ていない.
    反面, 若かりし光圀の悪行については聞き知っていた.
    そのギャップがどうしても光圀という人物に興味をそそらなかった.
    おそらくではあるが, この作品はかなり忠実に光圀のことを描いているのではないだろうか.
    それはやはり沖方氏の筆力だと思う.
    文章の読みやすさ, 描写の仕方は"天地明察"以上だと感じた.
    その意味において本屋大賞へのノミネートも頷ける.
    ただ, やはり"天地明察"で受けた新鮮さがない.
    それが, 水戸光圀という人物故か, "天地明察"の斬新さによるかは私もよく分からない.

    ただ.やはり何か物足りなさを拭い切れなかった.

  • 長く生きると言うことは,多くの別れに立ち会わなければならないということなのだろう.そう考えると,なんだかとても怖くなる.孤独を楽しむフリをしてても,本当はひどく寂しがり屋なのかもしれない.本の感想に戻ると,結末は,ちょっと意外なものだった.冒頭から謎だった光圀が殺めた人物も明らかに.なんとも皮肉的ば結末.それも義なのだろうか.泰姫がいれば,違う結末もあったのではと考えてしまうのは未練だろうか.なにはともあれ,抜群に面白かった.

  • 読み終わった!と言う充実感です。光圀の人生、人に恵まれたのか、そうではなかったのか…

全25件中 21 - 25件を表示

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

冲方丁の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×