カササギたちの四季(春・夏編) [Kindle]

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  • 道尾秀介による日常のちょっとした事件の裏側に迫るミステリ。
    冒頭で強欲和尚から役に立たない家具を売りつけられるシーンからはじまるのは春編・夏編とも共通。その家具に関連するような事件や相談が舞い込んできて華沙々木と日暮がその対応をする中で事件の裏側に潜む謎を解決していく。
    と書くと、重厚ミステリのようだが、感触としてはライトミステリに属する印象。事件そのものもちょっとした諍いのようなものだし、当然人は死なない。さらには迷探偵・華沙々木の推理が繰り広げられ、ほほう、そういう解釈もあるかと思わせておいて、実は、という展開も、ミステリならでは。
    奈美の境遇や、なぜ奈美に華沙々木を名探偵と思わせておく必要があるのかなど、春編・夏編では明かされない謎も残り、秋編・冬編への興味も持続させられる。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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