椿山課長の七日間 (朝日文庫) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 過労でこの世を去った椿山。死を受け入れられず、初七日までの三日間だけ、仮の姿で現世に戻るのだが…。

    映画にもなった作品の原作。設定が面白く、かと言って内容は軽くもなく…切なさと感動があった。自分が死んだら、きっと舞い戻っては来ないな…( ˙꒳​˙)←さっさと成仏する人。

    脇役?のはずの武田のストーリーが、グッとくるものがあった。ヤクザなんだけど、根は良い人なんだろうなぁ。何度もウルウルしてしまった。

    椿山のお父さんも生き様が格好良い。不器用な侠気で、読んでいて惹かれるものがある。

    椿山が女性化したばかりの頃の描写が、少々気持ち悪い…まぁ気持ちが分からんでもないけれど笑。

    死んだあと、こんな感じだったらいいなぁと思うシステムだった。俺なら現世に戻る事なく真っ先に極楽浄土の道に行くだろうな。きっと、死んでも振り返らない…。

    感動あり、涙もありの面白いファンタジー作品でした。

  • 働き盛りの主人公が突然亡くなり、とまどい、
    そして 心残りを果たすために
    別の人間になって 戻るお話です。

    お話は このサラリーマンだけではなく
    他の業種の人や子供も同じように現世に戻る内容でした。

    くすっと 笑える内容でしたが
    最後は やはり ほろりとさせてくれる
    浅田次郎ワールドでした。

  • 感想なし(相当前の為)

  • 「天国へ行ける権利を持っておきたい。大切な人が地獄へ行くことになった時、私の権利を彼に譲ろう」

    2023年に読んだ本の中で第一位に輝きそうな、面白さでした。
    浅田次郎さんの文章力に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。笑いあり、涙あり、浅田次郎さんの作品は初めてでしたが、いい作家さんに出会えました。
    特に、椿が佐伯知子の話を聞く場面、一方的に知子が話す文章でしたが、知子のセリフを通して、椿山がどう感じているか、想像力をかきたてられまくり!素晴らしいと思いました。(うまく言えないけど、読めばわかります)
    主役?の椿山も気の毒なところもあったけど、比べてみると雄太と武田の方が切なくて、深刻でしたね。雄太のことについては涙なしには読めませんでした。
    また、椿山の父の存在が、この物語に大きな影響を与えています。
    登場人物の中で極楽へいけなかった人が二人いたことは、この物語に深みを持たせ、単なるエンターテーメントで終わらなかったと感じます。
    それにしてもおじいちゃん、生きている間に妻を大切にすべきでした。おじいちゃんのその理由には納得できないですね。戦場での仲間と、奥さんは関係ないと思うから。なので、椿山は、お迎えのお母様に夫の気持ちをしっかりと伝えてほしいです。でももう遅いんだけどね。もう会えないからね。
    要するに、いつか別れはやってくるから、生きているうちに大切な人をちゃんと大切にしておけってことなんだと思う。
    私はブッダ本人は好きだけど、あの世とかこの世とかは信じないタイプ。でも、もし自分が死んだら、誰がお迎えに来てくれて、また誰をお迎えに行くのだろうと、最後は温かい気持ちになりました。そして我が子をお迎えに行けるように、自分が先に死ななければいけない、とぼんやり思いました。浅田次郎の他の著作も読んでみようと思います。

  • ファンタジー的な部分が多くて、忘れてしまうけど、よく考えると重〜い内容なんです!最後は不条理な部分があって…

  • 2013/4/17 Kindleで読了、主人公は46歳で急死したデパートマン椿山課長。現世にどうしても戻りたいと訴え、戻ったはいいが姿は似ても似つかぬ美女。正体を明かすことができず・・・。現世に戻ったことで、生きているときには知らなかったこと、嬉しいことも悲しい事実も知ることになってしまったけど、最後は心穏やかに極楽浄土にあがっていく。私も今年椿山課長と同じ46歳になりますが、もし急死してしまったらやはり色々と未練が残るだろうな・・・。「人生、一片の悔い無し!」って死ぬときに思えたら最高だけど、やはりなかなか難しい。月並みだけど、あまり小さなことにくよくよせず、今こうして生きていること、働けること、家族と笑いあえること、そんな日常に、周りの人々に感謝しながら生きていけたらいいなと思いました。ヒットマンに間違って殺された武田、交通事故で幼くして無くなった雄太君のストーリーも心温まります。映画化もされているので、DVDで観てみたい。

  • 並列的に楽しませながら読ませる技量はさすがと思った。

  • 400ページの小説の中に、「自分はどう生きるべきか」を考えさせる題材をこれでもかと数限りなく散りばめてくれている。自分の生き様を見つめ直す契機になる一冊だった。

  • 非常に面白い。
    エピローグからは作者の力が尽きたのかもったいない内容だった。

  • うーん…自分の読解力のなさを実感。ヤクザの話はほとんどわからないよ。おおもとの話はわかるけど、細かい登場人物の相関図が掴めていない。本当は感動できる作品なんだろうけど、関係性が曖昧なまま読了。時間がたったら、もう一回チャレンジしたい。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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