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感想・レビュー・書評
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2020/7/27読了
朝井さんが10代の時に書いた小説というだけあって、高校生の心情が繊細に描かれている。
朝井さんの小説は、分かっていても認めたくない部分など人間の醜いところや劣等感、心の底にある感情がリアルでいつも身にしみる。
映画化もされた本書は、てっきり桐島の話と思い込んでいたが、そうではなく、桐島を取り巻くクラスメイトたちの連作短編だった。
人には人の考え方や持論があり、人と違ってて当たり前。それは人に強要するものではない。それを受けて自分はどうするのか。こんなことを考える機会もあまりなく、等身大の高校生が描かれているので、今の高校生に読んで欲しいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんなにも平凡なストーリーでこんなにも心を揺さぶるなんて、作者の非凡さに震える。
泣くとは思っていなかった。
読み終わるのがもったいなくて、それぞれの明日が知りたくて、終わってからも続きを考える。
一人一人のひかりが、輝いていますように。 -
高校生の青春っぽさと、嫌なところがいっぺんに描かれていた。それぞれの話に深い関連性はなく、短編集のように読めた。自分の名前を忘れられた、自尊心の高い女の子の話が好き。
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映画版が大好きなので原作も読んだ。
解説で書かれていて初めて知ったが、作者が19歳のときにこの小説を書いたと知って驚いた。自分も19歳だが、こんな風に文章を書けないし、こんなにもいろんな人の内面を言語化するのって凄く難しいと思う。「上」とか「下」とか、なんとなく感じていた雰囲気も表現されていてちょっと苦しくなった。私は完全に「下」の人間で、高校デビューに失敗し憧れの高校生活を送れない鬱憤を、勉強し「遊びまくってるやつらが羨むような大学に絶対行ってやる」と思うことで晴らしていた。だから、自分以外の人のことそこまで考えていなかった。だけど、作者もきっと高校で「上」とか「下」のカーストを感じながら過ごし、19歳にしていろんな人の立場で物語を綴れるのはすごいと思った。 -
高校時代を思い出すね。好きなことを共有できる人がいるってたしかに幸せだ。
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高校生5人の視点で淡々と書かれている感じ。あー高校生っって困難だったな。
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映画を見てから読んでしまった。
もっと登場人物が繋がるのかなと思っていたら微妙な交差だねぇ
今ってそこまでスクールカーストがゴリゴリではない時代だと思うので顕著だねぇ、と思った -
高校時代、確かにこういうような時間が流れていたな。
登場人物の誰にでも自分が混ざっているような不思議な感覚で読み進めていった本でした。