天使の卵 エンジェルス・エッグ 天使の卵シリーズ (集英社文庫) [Kindle]
- 集英社 (1996年6月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (162ページ)
感想・レビュー・書評
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歩太(あゆた)は受験した大学すべて落ちて浪人が確定した。10年前に父親が精神を患い入院してから母親が居酒屋を営み女手一つで育ててくれた。美大進むつもりだが、自分の才能に対して、生活の面でも迷いが少しあった。
ある日電車の中で出会った女性に一目惚れする。そして父親の入院している病院で再会した。なんと彼女は精神科医で、しかも今つきあってる彼女のお姉さんだった。
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最近なんとなく、今まで読んでなかった作家さんに手をだしている。村山由佳=ラブストーリーというイメージで敬遠していた。
悪くはなかった。まだバブルの余波が感じられる時代のちょっと小洒落た、トレンディードラマのような趣。その時代を知ってる人には入り込みやすいと思う。
ストーリーよりも歩太の言動、行動に若さが感じられ、ああ、若いっていいなとしみじみ思う。例えば歩太は絵を描くのと同じ暮らして本を読む事が好きなのだが、好きな作家を聞かれると「江戸川乱歩」とか適当にはぐらかし、本音を言わない。正直な自分をさらけ出す事に抵抗を感じている。でも、精神科医の彼女の前ではあっさり本音を語る。
恋愛小説がいいのは、登場人物がほぼほぼ若い事だと思う。若さ故に不器用さや無鉄砲さが好ましく思える。『マディソン郡の橋』や『マチネの終わり』のような大人の恋愛はあざとさが見えてしまって厭らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みずみずしい表現で、胸がきゅっとなる。純粋で、切ない。
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愛する人を失っても強くいきていかなくてはいけない。愛する人を失っても愛した時の想い出は決して消えない。そんなことを改めて感じられる作品でした。
ただ少し現実的ではない様なところも多かったので、、星3つにしました。 -
ブグログレビューで面白い・止まらないとあったのでkinoppyで読み始める。
面白く止まらないが最後があっけなく今一つ -
そのひとの横顔はあまりにも清冽で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持ちはあったが、“僕”の心はもう誰にも止められない。第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛したデビュー作。