追想五断章 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • やっぱり米澤穂信は面白い。ひねりが効いている。

    伯父の古書店に居候している芳光は、「父親の遺した小説を探して欲しい」と頼まれる。
    小説家ではないその男の作品を探すことに奔走し、
    その男がなぜ小説を書いたのか、謎に迫る。

  • 作中で短編を読ませる手法が面白い。リドルストーリーはあまり好きではないので、五編中四編は最後の一文で結末が示されているのが個人的に良かった。短編だけでも酒場で聞かされるネタでも成り立つぐらい面白いが、それを本筋に上手く絡められていて尚良い。主人公周辺の登場人物がもっとストーリーに関係してくるともっと面白かったかもしれない。

  • 作中作を織り交ぜながら展開。上手いなぁ

  • 再読。作者の筆力に驚嘆です。
    主人公は依頼を受けある方の遺した五つの短編を探すのですが、見つけ出した作中にはある過去の事件の謎を読み解く鍵が隠されていた…という感じの物語なのですが、まずこの短編が素晴らしい。
    年代も思想も、ましてや執筆の動機も違う別の人物になり切って物語を書き、それでいて妙に惹かれる面白さがあるのですから。参りました。
    問題提起も何もない所から静かに始まり、いつの間にやら深い事件に巻き込んでくれる所なども流石。ちと弱いが意外な結末も控えており素晴らしい一冊でした。
    これ作者の代表作でいいのでは?


  • 紙の本で読んだが、なかったので電子書籍の方に記録…

    リドルストーリーという発想に留まらず、その先の結末に隠された仕掛けが面白かった。序章の作文も。

    正直、難しい表現(特にリドルストーリーの部分)が多く、最後まで読み進めようか迷ったが、最後まで読んで良かったと思える1冊であった。

    高校生の私としては、ちょうど漢文で習った『〜をして〜せしむ』の使役の句法が使われていたりと、授業で習ったからこそ理解出来た文章があったのが嬉しかった。

  • っはー!気持ち良い!ぞくぞくする仕掛けだった。解説も骨太でじっくり楽しめました。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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