- Amazon.co.jp ・電子書籍 (373ページ)
感想・レビュー・書評
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うーん、終わり方にモヤっとした。
さすが最後の15ページくらいでまくってきたけどもっとガンガンどんでん返し欲しかったな。 -
再読。
とことん上から目線なみずほに終始イライラしながら読んだ。
チエミに対してだけでなく、他の友人にも友達にも夫にも、さらには読者に対しても、匂わせばっかりで嫌な語り手だったぜ・・・しかし面白かった。
娘との関係は、これを読んで定期的に見直していきたい。四年前にもそう思ったらしくて、「ハッ」となる箇所のページ右上に折り跡が多数あった。自分の変わらなさよ。
女は自分より下だと思った女を見下す生き物だけど、見下されてる側はそのこととっくに気付いているからね。 -
辻村深月という作家を知って、一冊読んだら結局ハマってしまい次々と読んでしまう。この本もその一冊。女同士の友情や,母娘の間にあるモヤモヤ。女特有の生臭い感触が,とても心地悪くて、途中ゾワゾワしてしまうこともあった。いわゆる人に優劣をつけてしまうような描写、でも最後まで読むと決してそうではないという印象。それぞれの立場で読んでも、自分と同年代の立場で感じてしまう。なぜだか気持ちがざわつくのは,そのせいかもしれない。優劣で言ったら劣の部類と描写されている登場人物のあまりにも救われない話の展開がとても気になってしまった…。
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はじめて行った本屋でなにか買おうと眺めた棚で、そういえば読んでいなかったなと手にとった。辻村さんの作品は読んでいるほうだが、あらすじを読んでこんな内容だったっけ? と考えるほどにはそれにすら見覚えがなかった。さいきんの作品と比べれば粗削りではあるものの、容赦なく描写される感情や人間関係、ページを貫いて伝わってくる痛み。それらは容赦がなければないほど、不思議と圧倒的にわたしたちの味方だと感じさせてくれる。これまで読んだいくつもの辻村作品の題名が脳裏をよぎる。なんども羽化を繰り返すような、力強さを感じている。
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女同士の関係、母娘の関係、、、
自分には強く共感できる部分はなかったものの、「あぁ、そういうこともあるねぇ」と思えてしまうのは、きっと自分の人生にも心当たりがあったからかもしれない。
死ぬ必要のなかった命、失う意味がなかった関係にチエミが気づいたときの絶望は計り知れない。でも、そうしてようやくチエミは母娘のしがらみから抜け出せたのかな。いや、チエミ自身はそんなこと求めてなかったかも。あくまで第三者からみて、健康的でない母娘の関係に見えていただけで、、、。
救いがあるわけではなく、ただ、起きてしまったこと、起こしてしまったことに向き合って、進んでいくしかない。
アラサー女の印象に残ったフレーズ
「私たちは大人ではなく、かといって子供では許されないのに、まだどうしようもなく生身で未熟なのだ。四十代になっても、五十代になっても、ひょっとしたら一生そうなのかもしれない」 -
辻村深月の「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」を読んだ。筆者の代表作のひとつだろう。
私は「筆者の小説の構成は主に2つある」と思っている。
筆者の代表作である「スロウハイツの神様」「かがみの孤城」のような子供の視点から描かれた物語と、「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」、「傲慢と善良」のような母親または孤独な女性の視点から描かれた物語である。
私の、筆者のお気に入りの作品は子供の視点から描かれた物語が多い。女性の視点から描かれた物語は共感ができないのだ。私が男性なのが原因かもしれない。裕福で、学歴のある日本のキャリアウーマンのキャラクターがあまりにステレオタイプに見えてしまう。生きている感じがしたい。物語を進める装置になってしまっている。キャラクターに魅力を感じない。
今日、読了した「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」という作品は女性の視点から描かれた物語である。
この小説の概要は、ある事件の犯人で逃亡している幼馴染を探す女性による章と、犯罪を犯して逃げる幼馴染の女性による2章で構成されている。逃亡者側の視点でも物語が語られるのがとても面白い。徐々に真実と反抗内容と人間関係図が明らかになっていく。評価がいいだけあって読み応えのある作品です。 -
私自身、母ととても仲がよいので、作中ドキっとすることがあった。
ここまでではないと思いたいけれど…
いろんな家があって、いろんな人がいて、いろんな生き方があって、いろんな事情がある。
あまりいい気分がせずに読み進めたけれど、終章に入ってから少しだけ気持ちが楽になった気がした。
辻村作品はこれまですぐに再読したくなるものばかりで2回ずつ読んでいるものが多いけれど、これはすぐには読み返したくないなぁ。 -
子どものころ傷を受けてしまった人の物語、幾多の作品があり、使い古された感もあるが、この作品は、結構よかった。
こういうテーマには何らかの浄化が必要とされると思う。
母殺しというその浄化法は、重くもあるが、真相は救われるし、いつもの作者の手法により未来に光が感じられる。
相変わらず、いい小説を書くなあ、と感じる。