ヴァンパイア [Blu-ray]

監督 : 岩井俊二 
出演 : ケヴィン・ゼガーズ  アデレイド・クレメンス  蒼井優  ケイシャ・キャッスル=ヒューズ  アマンダ・プラマー  トレヴァー・モーガン  クリスティン・クルック  レイチェル・リー・クック 
  • ポニーキャニオン
3.49
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本棚登録 : 78
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013331860

感想・レビュー・書評

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  • 木漏れ日の中でサイモンとレディバードが静かな森で彷徨うシーン、母親が白い風船に囲まれてピアノを奏でるシーン、マリアが窓辺でダンスするシーンなどはとても詩的で、いかにも岩井俊二らしい、幻想的な映像表現が光る作品だった。

    私は岩井俊二監督好きだしヴァンパイア映画も嫌いではないが、実は前半のサイモンか血を求めながら愛を持たずに生きている姿は、なんだか「中二病」の香りがして耐えきれず挫折するかと思った。
    ただ途中のレディバードとサイモンがヒルの毒を吸う、若干エロティシズムを感じさせるシーンから、徐々にラブストーリーとしての輪郭が見え始め、その儚げに惹かれ合う2人の存在は羨ましいほど純粋で美しかったので気がつけば前のめりで画面に吸い付いていた。

    登場人物の皆が「死の予感」を漂わせてに生きる中で、唯一異色なエネルギー放っていたレイチェル リー クック演じるローラの狂気が、静かな流れの中に刺激を与えてくれて中々楽しませてもらったし、他にも単調な中でたまにゾッとするパンチを入れてくるので結局は飽きずに最後まで観ることができた。

    何にしろ登場人物の女の子が皆驚くほど可愛い。唯一の日本人役の蒼井優も神秘的に光っていたけど、
    北欧系?なレディバードや、パシフィック系のジェリーフィッシュやバレエダンサーのマリアなど、皆童顔な可愛らしい女優さんばかり起用していたので、見事に岩井俊二のロリコン癖も見え隠れしてしまって面白かった。

    破滅的で、少し奇妙な岩井監督らしいシークエンスは個人的に嫌いではないけれど、「現代の孤独なヴァンパイア」として美しく祀り上げるような描き方は正直あまり好きではない。
    退廃的で、儚い魂を描くのは構わないけど、きれいごとではなくそこに伴う深い絶望も共にしっかりと描いて欲しいと勝手ながら感じてしまった。

  • なんの予備知識もなく、岩井俊二だぁーと見た作品だったのでちょっとストーリーにびっくり。特に最初の血がね…
    でも映像と音楽がすごく美しかった。鮮やかなものではなく、寂しさが漂う陰の美しさだった。万人受けするものではないが、とても印象に残る作品だった。

著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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