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- / ISBN・EAN: 4988111243584
感想・レビュー・書評
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1959年から20数年間にわたり、約9万人が北朝鮮へ
移住したという…「帰国者」といわれる人たち…
本作は、25年ぶりに治療のため日本にいる家族のもとへ
戻った男の数日を描く…そして、当然で理不尽な帰国指令…
北朝鮮の国家としての異様さ、いびつさを感じさせる…
しかし、この映画は、そうしたことを伝えようとしたのでは、
ないように思った…日本に暮らすボクが、どれほど、何を、
自覚しながら生きているのか…と突きつけられたのだ…
―あの国では考えずにただ従うだけだ。
考えると、頭おかしくなるんだよ。
考えるとしたら、どう生きぬいてゆくか…それだけだ。
あとは、思考停止…楽だぞ…思考停止…
俺は、こう生きるしかないんだよ。いいんだ、それで…
でも、お前には考えて欲しい…たくさん考えろ。
どう生きるか考えて、納得しながら生きろ。
お前の人生だぞ。 お前の人生だろ? な!
誰の人生でもない、お前の人生なんだ。
お前の好きなところ行ってさ…毎日感動してさ…
わがままに生きればいいんだよ…
この国にあって、ボクはどれほど考えてただろう…
中途半端に懊悩とする日々のなかで、
思考停止している自分が多いことに思い及んだ…
ボクは…今、納得してるんだろうか!?
好きなところへ行っているだろうか!?
毎日感動してるだろうか!? わがままに生きられる国にあって、
わがままに生きていないことこそ、「くさった資本主義」と
呼ばれる様だと、自らを省みた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思っていたよりとても見やすくきちんと作品になっている。
家族の悲しみに胸が千切れそう
「は?」としか返せない妹
貯金箱を割り、かき集めながら慟哭する母 -
★★★liked it
『かぞくのくに』 ヤン・ヨンヒ監督
物語の背景
1959年から84年まで、在日朝鮮人とその家族が日本から北朝鮮へ集団で移住した帰国事業、9万人以上が新潟から船で渡り。移住者は、国交のない日本への再入国がほとんど許されていない現状
6歳の時に家族と別れて北朝鮮に渡り、脳腫瘍の治療のため25年ぶりに日本に戻ってきたソンホ(井浦新)
ソンホを迎える両親や叔父、妹リエ(安藤サクラ)、友人、同行する北朝鮮の監視役のヤン(ヤン・イクチュン)
ヤン・ヨンヒinterview
「北朝鮮、帰国事業、在日、朝鮮総連。重い政治的な言葉が多いですけど、全くそんなこと分かんなくても、何か腹たったとか、リエに共感してくやしかったとか、映画だからそれでいいと思うんですよ。そりゃ分かるにこしたことはないけど、理解しなきゃいけないとは思わないです。私たちもいろんな国の映画を観て、歴史なんか知らなくても笑ったり泣いたりしてますからね。あと、3.11のあと、こんなに私たちの生活が政治に翻弄されるんだって、日本の若い人も痛感してると思うのね。東電のおっさんの決め事がこんなに私の生活を左右するのか、みたいなのあるじゃないですか。政治って政治家が決めることだけじゃないからね。その中でも頑張って、自分らしく生きようとするしなやかさは持ってたい。そんなことも感じてもらえたらな」
シルバーのスーツケース・・・『おまえ、そーゆの持って、いろんな国いけよ』
シルバーのスーツケースを引いているリエ・・・伝えたいこと、思いが込められてると思いました。
北朝鮮に関しては報道もされており、実話がベースでシンプルなストーリーは物足りないようにも感じました。
でも、この映画を観て泣いたんです
物語ではなく、俳優の演技そのものに泣きました
魂が込められた演技っていうか、心にガツンとくるというか、上手く言えません。
安藤サクラがは走り出した車に、後ろドア開いたまま引きずられるように止めるシーン
車が走り出すなんて決まってなかったのを、ヤン・イクチュンが「出せ」と言ったそうです。
あわててカメラが追いついてない。安藤サクラも、アドリブですよ
単に演技とか、芝居というの超えてませんか?
おもしろかったという映画ではありませんでしたが、
ぜひ観てほしい映画でした。 -
自分の生き方を選べる人間と、そうでない人間は、いったい何が違うのだろう。それを決める権利を振りかざす人間はいったい何故存在するんだろう。その不条理さに振り回され、受け入れがたいけれど諦めざるを得ない現実を背負って生きる家族の姿が痛ましかった。
無駄のないシンプルな構成で100分をあっという間に感じたけれど、悲しい余韻は終ったあともなかなか消えてくれない作品だった。 -
観終わって、
自分は思考停止せずに自分の頭で考えているだろうか?
自分は本当に生きたいように生きてるだろうか?
と自問自答せずにはいられませんでした。
オッパが妹リエに語った言葉が、自分の胸にも刺さって痛かったです。
この作品は、私たち日本人こそ観るべき作品じゃないかなと思いました。
自由に生きられない国に生まれた人の人生を知って、自由に生きられる国に生まれた自分の人生を見つめ直すきっかけになる作品じゃないでしょうか。
安藤サクラさんって、すごく印象に残る演技をする女優さんですね。
全然美人じゃないのに、ときどきドキッとするほど綺麗に見える時があります。
(2012年 日本)