- Amazon.co.jp ・電子書籍 (124ページ)
感想・レビュー・書評
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ガソリン自動車から電気自動車へ、100年に1度の変革が訪れようとしている。リチウム電池に着目しているように見えるタイトルだが、実際の主題はそれを中心に日米中が熾烈に繰り広げる開発競争だ。しかもプレイヤーは個人も企業も国家もいる。
注目すべきは変革の内容よりスピードだ。かつて西洋が数世紀かけた発展を日本は数十年で達成したと言われるが、中国はそれを数年で完遂しようという勢いだ。そして米国はたくみにそのパワーを利用しようと近づく。ハイブリッド車で先行していた日本は純粋な電気自動車の開発ではそのアドバンテージを生かせず、中国と米国の国家戦略に追い越されつつある。
技術として、ビジネスとして、政治として、それぞれが異なるスタンスで取り組み、最終的にどんな落ち着き方になるかはまだまだ不透明。それは恐ろしい状況であると同時に、ワクワクする世界でもある。
1年もすれば常識が覆されるペースで進歩する分野において、3年前に出版された本書の内容はすでに過去のものとなっているだろう。書籍という形で最先端をフォローするのは難しいと思われる。当事者であれば新聞ですら遅いのではないだろうか。
それにしても中国のエネルギーはすごい。物量と速度もさることながら、良い意味で発展途上国の夢と希望が感じられる。きっと、数十年前の日本もそんな雰囲気だったのだろう。正直、うらやましいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
NHKスペシャルの取材内容が纏められたものだが、時事ネタの読み物としては堀り下げが足りないように思える。
確信できたのは、最先端技術の現場はもはや日本ではないということだ。