レ・ミゼラブル (下) (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • バイブルです
    ありがとう「ああ無情」
    ミステリー、冒険小説、ファンタジー
    社会情勢、善悪、哲学、愛、政治、宗教、価値観、無慈悲、人間性
    全ての人々が悲しい物語を歩む中、コゼットとマリウスのみが幸せに。悲しみの中を生き抜いた彼らはどこに突き進み何を求めていたのか。革命の国フランスにおいてまさに!!

  • フランス革命後の社会の暗部とそこで生きる市民の悲哀を描いたレ・ミゼラブル。この作品の前半では、窃盗罪で投獄されたジャン・バルジャンが、司教の慈悲に触れた後に工場主や市長として成功したこと、孤児のコゼットを引き取って娘として育てたことなどが語られています。後半となる本書では、ジャン・ヴァルジャンの過去を知る刑事のジャベールが、彼を執拗に追いかける様子や、ジャン・バルジャンが自分の過去を告白することなどが描かれています。果たして、ジャン・バルジャンは自由と幸せを手に入れることができるのでしょうか?

    本書のテーマは、人間の尊厳と赦しだと思います。作者のユゴーは、貧困や不正義に苦しむ人々の姿をリアルに描き出しています。彼らは、社会の犠牲者でありながら、自分の運命に抗って生きる勇気と希望を持っています。そんな人々の代表なのが本書の主人公のジャン・ヴァルジャンだと私は思いました。言えるのでは。彼は、自分の罪を悔いて、人のために尽くすことで、自分の人生に意味を見出し、コゼットやマリウスという家族を得て、愛することを学びます。それどころか、ジャベールやタナルディエという敵にも、憎しみではなく、赦しの心を通わせようとすらするのですから。

    この本を読んで、私は、悲しみや苦しみに満ちていながらも、決して諦めようとはしないジャン・バルジャンの生きざまに心を打たれました。願わくば、彼のように少しでも生きたいと思いました。

  • 20220914

  • 長いこと読みたいと思っていたが、長い物語のために手を付けていなかった。
    映画を観る機会はあり、映画が大変面白かったため、その次の日には本を購入していた。
    あまりにも面白いので、仕事中でも続きが気になるほど。
    一週間ほどで上下巻読破していた。私の中ではとても早い読了である。
    コゼットが嫁ぐ前後の展開はしゃくりあげながら読んだ。私が結婚のために家を出た時期に読んだため、ぐっときてしまう。
    今はきらびやかな都のイメージのあるパリだが、もともとは不潔な街のようだ。病気が流行ったことが頷ける。

    本書は原作の内容を削っていたということに読了後に気付いた。次は完訳版を読破したい。
    『モンテクリスト伯』は中だるみしながらも完訳版を読破したが、読了後の爽快感は格別であった。『レ・ミゼラブル』でもまたこの気持ちを味わいたい。

    私は『レ・ミゼラブル』という題名より、『ああ無情』のほうがピンとくる。
    『レ・ミゼラブル』のほうが一般的になったのは最近のことなのだろうかとぼんやりと思った。銀の燭台の件は道徳の教科書で読み、面白いと感じたことを覚えている。

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著者プロフィール

1802年-1885年。フランス・ロマン主義を代表する詩人・小説家・戯曲家。10代の若さで詩人として国王ルイ18世に認められるなど、早くから頭角をあらわす。すぐに戯曲や小説を発表するようになり、1831年に『ノートル=ダム・ド・パリ』、1862年にフランス文学界の頂点といわれる『レ・ミゼラブル』を発表して、不動の名声を獲得。政界にも進出したが、激動の時代により亡命生活も経験している。

「2022年 『ノートル=ダム・ド・パリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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