- Amazon.co.jp ・電子書籍 (354ページ)
感想・レビュー・書評
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「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」(フィリップ K ディック:浅倉久志 訳)[Kindle版]を読んだ。これは避けては通れない読んでおくべき一冊のうちのひとつだな。今更だけどフィリップ K ディックの凄さを再認識しました。名作というのは時が経っても色褪せることがないのである。
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初kindle有料版:現実とドラッグの見せる幻覚とどちらなのか分からない世界で読んでいてとても不安に感じる場面がたくさんある。幻覚の世界での神に何の意味があるのか・・・またその世界に頼らななければならない現実の意味は・・・面白かったです。・・キンドル、紙より読みやすいかもしれない。次は何にしようかな(選択の範囲はせまいけど・・・)
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未読かと思っていたら、エアコンの故障でレコードがダメになってしまったエピソードを覚えているので、ハードカバーで読んでいるんだろう。まったく記憶に残っていなかったんだけど...。
内容は、火星のタイムスリップ、ユービック、アンドロ羊を足して3で割ったような感じ。というか、それぞれが設定、主題を少しずつオーバーラップさせながら書かれている。
で、パーマー・エルドリッチの三つの聖痕だけど、ドラッグ云々よりも、宗教について書かれていると思われた。ディックはアメリカ人なので、キリスト教のことなんだろう。聖痕といえばイエス・キリストだけど、この本では、訳者あとがきにもあるように、赤ずきんちゃんのなかで狼がもつ特徴的な部位が聖痕となっている。 -
薬物依存により人と人との関係に生じるであろう多様な事象をSF世界にこれでもかと詰め込んだ内容のため,一回読んだだけでは全く追いつけない.しかし,薬物によって脳に生成される痛みのない世界に浸り続ければ,それが現実に取って代わる.人にとってどちらが幸せか,という考え方は現在のメタバース的世界にも通じる,答えのない問である.実際本書も,エンディングがエンディングになっていないが,現実と虚構の曖昧な境界を生涯のテーマにし続けたディックが唐突な物語の終焉を描いたことに明快な解が提示されているようにも感じる.
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薬物から抜けても薬物をやっている幻影に囚われる(ダークドリーム)の描写によって、異星人と地球人の戦いを描いた作品。
単なる勧善懲悪でも物語のパターンにはまり込むわけでもないのは良いが、ラストはプロットを逃してわけが分からなくなってしまった。