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感想・レビュー・書評
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2019年10月5日読了。黒田官兵衛がキリシタンであることに触れられていなかったり、キリシタンであっても棄教したとする歴史小説が多い中、官兵衛がキリシタンであることに焦点をあてた歴史フィクションであると言う点は興味深い。高山右近や小西行長との交流は歴史的に知られているが、細川たまに洗礼を授けた清原いとが生まれた頃に父の枝賢の家を訪問していたとか、瀬戸内で隠遁生活に当たっていた内藤如安に信長政権クーデターの協力を呼びかけたり、ありえないことではないと思えてしまう。光秀が実はキリシタンであり、たまの子供を将軍にすることで日本をキリシタン国家にしようとしていたと言うのは、小説としてはおもしろいと思う。
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黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアンの物語。「風の軍師」に続きます。
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日本人修道士のジョアンという人物を絡めることにより、黒田官兵衛の半生をキリシタンの側面から描いた作品。本能寺の変の原因を、海外貿易の拡大をもくろみ南蛮と戦をするかもしれない信長を倒しキリシタンを守ろうと官兵衛が光秀をけしかけたとするなど、かなり斬新な内容となっている。ただ、キリスト教を禁教とした秀吉を倒し日本を二分しクリスチャンの王国を築こうと決意した所で物語が終わってしまったのが物足りなかった。官兵衛は関ヶ原の戦いの頃も生きていたのだから、関ヶ原との関わりや家康との絡みも読んでみたかった。