ヤクザと原発 福島第一潜入記 [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 最近話題のサカナとヤクザの人。
    ‪2014初版の内容で今まで見聞きした話が多く目新しい話はないもののそれらを掘り下げた内容が1冊にまとまった印象。ボイスレコーダーを回していただけあってインタビューや作業員の発言が(誇張されているが)いわき訛りで表現されててリアルさがある。やくざの話も多々あるけどフクイチの当時の実態がメインて感じで臨場感のある文章でスラスラ読めた。潜入とはいえ実際に作業員として仲間と働いたからこそ事実と地元作業員の心情を的確に表現できたんだろうな。かく言う僕も311の半年後ぐらいまで某プラントメーカーで新人として格納容器の設計チームにいたので311当時のピリピリした事務所の雰囲気を思い出した。実際にこの目で見た避難区域の光景や、自ら屋外作業用の電源ケーブルを敷設しにいった男気のあるベテラン設計士を思い出して、体調なんかが気がかりになったりなんとも言えない気持ちになる。シノギに関しては明治から続くオールドスクールな人夫出しの話で珍しい話はなかった。‬
    ‪しかしフクイチのセキュリティ管理をしていたとされるイスラエルの会社については何も記載がなかったな、おれはこれがずっと気になってる‬んだけど。

  • 原発関連の工事やメンテナンスが不備だらけな理由が何となくわかりました。

  • 現代暴力団と原発の関係性を生々しく記録した作品。

    3.11の東北大震災後、原発復旧作業に筆者自ら作業員として潜り込んでいるだけに、復旧作業の状況記録に重きを置いている。(というかとんでもない現場主義の筆者である)
    しかし、元々は暴力団を専門とする筆者である。暴力団が3.11に対してどう行動したのか、原発復旧作業をどうシノギとしたのか、といった部分の記録もしっかり取材されている。

    しかし、現在でも原発は相当危険な状態ではないか、と思われるような筆者の現場体験は必見であり、一読をお勧めしたい。

    星4にしたのは、原発関連の作業についてあらゆることを克明に記述しているため、少し冗長に感じたからであり、読む方々で感想は変わると思う。

  • ・7/11 読了.やっぱり汚れ仕事があるところにアングラの需要もあるのは仕方のないことかもしれない.でもだからといって安全にかかわる情報は国民に隠蔽せず開示しないと正しい批判もできない.今はあまり騒がれてないけど1Fが世間から忘れ去られていくことこそ大問題だと再認識.

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著者プロフィール

1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する。主な著書に『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文藝春秋)『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文藝春秋)『サカナとヤクザ』(小学館)などがある。

「2021年 『修羅の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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