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感想・レビュー・書評
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先日読んだ『恐怖の哲学』と同様に心の仕組みを解明する取り組みについて紹介している。本書の場合は視覚のメカニズムに絞って解説しているが、哲学的な考察はほとんどなく、脳生理学の研究成果を示している。
本書の原書が書かれたのは2007年で『恐怖の哲学』より古いので、当然だがやはり「ハード・プロブレム」と呼ばれる問題、つまり心とか意識がどのような物理的実体に基いているかという点は未解明だ。また、書かれてから10年以上経っているので、恐らくその間にも新たな知見は得られているのだろう。さらに10年後くらいになれば、いよいよハード・プロブレムが解決しているかもしれない。私はこの分野の専門家ではないけれど、人間の本質に関わる研究はドキドキさせられる。
あとがきで少し印象的なエピソードが出てくる。それは、心は脳に宿ると考えている脳科学者でも、路傍の石仏に心があるように感じて、祈ることがあるという話だ。私も祈ることがある。この気持ちの意味はまた、別の考察になることだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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