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感想・レビュー・書評
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恐らくこの世界で一番難しい分野の一つを、これだけ簡単に説明できてしまう筆者の頭の良さたるや!!素粒子が大好きになりました。
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宇宙に興味あってちょっとインプットしたいなと思って手にとって読んでみたらほとんど素粒子の話してた。質量保存の法則が成立しないとかもはや意味わかんないけど、なんとなくそんな感じかと雰囲気は掴めたかな。とは言え大分未知な領域で消化不良なのでまたもう一回読み直すか別の本を手に取ってみようかな。
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小学生くらいに読んだ本。今思うと3割も正しく理解出来ていなかったが、とにかく分かりやすく平易に説明されていて、宇宙とか科学に興味を持つきっかけになった。車好きじゃなかったら確実に物理の道を目指していた。
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最初はぐいぐい引き込まれたが、4つの力辺りから付いていけなくなった。youtubeなど参考にして読み進めたが、消化不良感は残る。ただ全体的には新たな発見があり読んで良かったと思う。
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とてつもなく難解でしたが、筆者の説明力に助けられて最後まで何度か読み切れました。素粒子という前提から歴史、その特性についてまでお話くださっています。定性的な話から入れたのはとても良かったので、数学も学び直そうと思いました。
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【資料ID】91101971
【請求記号】429.6||M -
Audible にて。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んでSF気分の延長で手に取った。
同著でも登場した物理学のキーワードもあったので面白く読んだ。
とても優しい表現にしてくれているのはわかるが、それでも素人の私は半分も理解できていないだろう… -
完全な部分を理解することよりも、曖昧な全体を捉えることができるほうが、物事を幅広く解釈できるようになる。完全であること、明確であること、答えであることが、ぼくたちに役立つ「答え」を齎してくれるのではないのだと、考える。
宇宙の果てを見ることが、根源の素粒子を理解することと同一になってくる。遥か彼方という果てと、はじまりの一時という果てが同じ意味として、人の前に表れてくることは、それだけで根源的な意味を教えてくれているように、思う。
物質は何でできているのか。宇宙は何でできているのか。物質はどのようなルールで成り立っているのか。宇宙はどのようなルールで成り立っているのか。結局、そのどちらもが同じ答えに向かっていくことだとわかり、素粒子物理学という世界が目覚め、20世紀をかけて、世界の探求が大きく進展してきた。
「特殊相対性理論」と「量子力学」をかけ合わせる。さらに「電磁気学」を結びつけて、「量子電気力学」が表れた。ひとつの理屈、ルール、定まりで世界を説明できることを目指して、人類は探求を続け、そしてけっしてやめない。
明解な姿を把握できるようになろうとするなかで、そこに挟まる曖昧さを許容していく姿がとてもおもしろい。ファジーないい加減な、すべては納得できないような、もやもやを覚えながらも、状況を、現実を解釈できる術を見出して、ひとまず飲み込んでいくそのおおらかさが、とても人間らしいことで、人間のもつ優れた才能なのではないかと思えた。
概要的であること、概要的になれること、概要的な自分を設定して、そこから解釈できる世界に生きることができる。そんなことは人間にしかできない。そのいい加減さこそが人間だからこそできる、とても知性的な振る舞いになるのかもしれない。
物質は何でできているのか。宇宙は何でできているのか。
見えること=光を摑まえることで、原子の存在が確認できる。カミオカンデでは、ベータ崩壊で生じるニュートリノを摑まえることができた。宇宙にあるニュートリノをすべて集めると、すべての星と銀河を集めた質量とほぼ同じになる。宇宙のすべてのエネルギーの内訳は、星と銀河で0.5%、ニュートリノが0.1~0.5%で、それらを合わせてもたった1%ほどにしかならない。宇宙に漂う普通の原子を集めても4.4%にしかならない。原子以外のものが残りを占めている。
暗黒物質が23%、ある。ダークマターと呼ばれる不明のものでも、あることが分かっている。
星は重力によって引き合う。地球と太陽、太陽と太陽系、太陽系と天の川銀河。地球は太陽を回り、太陽系は天の川銀河を回る。それぞれの重力が、運動を抑え、公転を作らせる。とてつもない猛スピードで走るそれらを引き寄せる重力もとてつもない。重力を作るための質量=エネルギーが存在することが前提になる。宇宙の中を1時間に約80万キロメートルの速さで進む太陽系を掴んでおくために必要となるエネルギーは、天の川銀河全体の星やブラックホールをすべて集めても全然に足らない。その不足分を埋める「何か」として、暗黒物質がある、と分かっている。
デモクリトスが物質の根源にあるもの、分けられないものをアトムatomとした。プラトンはイデアという抽象的なイメージを取り出し、アリストテレスはもっとおおらかに土水空気火という属性を根源にしようとした。
17世紀になって、原子を捉えることができるようになる。ボイル、ドルトン、アボガドロ、プランクが量子という概念を切り開き、粒子と波という解釈の仕方がもたらされるようになる。アインシュタインの光量子仮説、光電効果、ボーアの仮設、ド・ブロイの物質波。粒子であることと波であることをそれぞれの特性として、どちらもが物質というものを構成している要素だと認識することが、根源を把握するために実体的にして必要な解釈の方法になっていく。
ある視点からみえるときの世界と、また違う視点からみえる世界が、例えこれまでに積み上げてきた認識の広がりにおいて、矛盾を呈していることであっても、けっして此方側の都合で、実体を捻じ曲げない、現実を誤魔化さないという当然が、理解や理論や、世界の在り方を広げてきたという、結果として映ってくる。
マクロという程度では、ある理解が正しさを見せるけれど、反対にミクロになればなるほど、まったく違う理解が正しさの在り方を見せてくる。粒子であることも波であることも、そのどちらでもあることが、そもそもの揺らぎの存在を示してくれている。確固としたひとつばかりを取り上げるよりも、すべてはいくらでも揺らいでいると受け止めることのほうが、とても人間らしいと思うし、それが実際なんだと、根拠はなくても信用を置きたくなることだ。
素粒子と力は、フェルミオンとボソンで埋められる標準模型で説明できるところまで、状況は把握できている。
フェルミオンは第3世代まで展開する。原子と原子核、陽子と中性子の素となるクォーク(アップ、ダウン)と電子、電子ニュートリノが第1世代で、それぞれの後世代素粒子が第3世代まで、重量を桁違いに大きくしながら存在している。フェルミオンは「何でできているのか」のいまのところの到達点で、一方、「どのような基本法則でできているのか」を説明するものとしてボソンがあることが示されてきている。法則=力のルールを表すのに、ボソンが介在してくる。力が生じるということはボソンを受け渡しすることの実体だ。ボソンはパウリの排他原理があてはまらない。フェルミオンたちはそれぞれが同じところに居る(置く)ことはできないが、ボソンはいる(置く)ことができる。例えば原子核の陽子たちがプラスの電荷を持ちながら、それでもひと固まりでいれることはそれを繋ぎ合わせる何かが存在しているということで、反対に見れば、電荷というものによって、物質どうしがくっついたりはなれたりすることも、何かが介在していることでは同じになる。原子核をつくるのにグルーオンによって、「強い力」がやり取りされている。「電磁気力」はフォトン、中性子崩壊・原子核崩壊、ニュートリノができるのに「弱い力」がW,Zボソンによってキャッチボールされる。「重力」は重力子グラビトンが運んでいると予想されている。 -
村山先生の正確とわかりやすさの境界を辿る良書
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自分には知識が足りなくて理解が難しい