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- / ISBN・EAN: 4571431210031
感想・レビュー・書評
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第二次大戦中のソ連ウクライナ。二人の神童といわれる少年アブラーシャはバイオリン、少女ラリッサはピアノ。この二人を助けようとするドイツ人少女。
このナチス政策によって処刑されたユダヤ人の子どもは、150万人にも及ぶという。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「どうしてハンナは敵になってしまったの?」
「大人がバカだからさ」
という終盤のやり取りに号泣しました。
第二次世界大戦中のウクライナが舞台。ユダヤ人の神童(これが原題のwunderkinder)、ピアニストのラリッサとヴァイオリニストのアブラーシャ。アブラーシャは演じている本人が神童と名高いヴァイオリニストなので、演奏シーンに深みが出ます。
脱線しますが、どれだけ演者の技量が高くても、本当に楽器を演奏している人間のようには弾けていないことが9割ですが、今回は演奏者でしかできない顔の表情、体の動き、目線、指の動きがあって、演奏シーンは格別です。
映画が始まったときにはソ連とドイツは平和条約を結んでいるので、不穏な空気はありつつもまだ平和なのですが、それでもアブラーシャのおじいさんが「アメリカに行きたい。あそこは我々(ユダヤ人)を差別しないから」と言っているのに傷つきます。そこから、ソ連の支配下に置かれ、ドイツ人のハンナはラリッサとアブラーシャに匿われ、そこからまたすぐにドイツ支配下に置かれるので、次はユダヤ人であるラリッサ、アブラーシャの家族をハンナたちが匿う…。
戦争は、なにも良いものを生み出さないのだと、いつになったら人間は学ぶのだろう?と思いながら見ていました。人間の歴史ももう2000年以上あるのに、いまだに戦争や紛争が終わらないのは、それを求めている人がどこかにいるからなのかな、と。
良い映画でした。ただ後味はよろしくないので、気分がすでに落ち込んでいるときや、映画を見た直後に人と会うときなんかは自重した方が良いかもしれません。 -
ウクライナでバイオリンとピアノの才能に恵まれたユダヤ系の少年と少女。その二人の演奏に魅入られ友達になったドイツ人の少女だったが、やがてナチス・ドイツの侵攻により少年少女とその家族は壮絶な運命をたどる。
戦局によりドイツ人家族とウクライナ人家族が助ける側と助けられる側で入れ替わる。そんな状況でお互いの国が戦争をしていることを「大人たちがバカなんだ」と言って将来の夢を語り合いながら絆を深め合う子供たちが眩しくて、そして哀しくて。
終盤のボードに書かれた「一緒に寝ていい?」で涙腺決壊。ラストの演奏は泣きながらに失敗しないよう本気で祈りましたとも。