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- / ISBN・EAN: 4548967030235
感想・レビュー・書評
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『旅立ちの時』
最後にグッとくるけど、この映画のこの感動はそこに至るまでの細かなシーンの積み重ねにある。複雑な背景をまったく無駄なく自然に映像のなかに織り込んで、ストーリーは進んでいく。
そして、そのときどきで、観る者それぞれのライフステージや見つめている未来、悩んでる切り口で見せてくれる深い洞察を 含ませたシーンが散りばめられている。
『家族とは何か?』、『自分の人生を生きるってどういうことか?』、『恋ってこんなに切ないのか?』、『国家ってなんだろう?』、
登場人物に寄り添って観ていくが、結局最後に私に強く残したのはやっぱり『家族って…』という呟きだった。(当たり前のように存在していてあまり振り返ることのない家族、そして多様な存在感を、そのなかにあって構成する者にも、それを外から眺めるものにも変幻自在な可能性をもって映る存在)
『ベートウベンでは踊れない』
『何故ベートーベンでは踊れないのか?』
『リズムやテンポを使っていないから』
こんな問答も当たり前のようでいて、鋭い状況察知と端的な表現である。これは台詞だが、このことばに17歳には稀有な鋭さを感じたフィリップス先生がダニーに興味を抱き始めるシーン。実社会の中でも、人と親密になっていくきっかけはこのような感性の輝きを感じ取ったときだ。
60年代の反戦運動でテロリストとしてFBIに指名手配された犯人を両親にもつ流浪の仮面家族のなかで、みごとなまでに立派に育った2人の子どもたち。たしかに、思想犯罪者である両親を親に持てば、その環境下で規律が育まれ、抽象概念の獲得や言語能力においては恵まれていたかもしれない。
でも、ダニーにしても、彼の弟にしても最も恵まれていたのは、人を思いやる姿勢と環境の変化に甘えない強さにあったように思える。
ローナとの恋の描写が時間の経過と二人の表情を映像で強烈に訴えているのに比べて、ラストの父が『おまえはここに残れ』と言ってダニーに家族との別離を迫るシーンは、瞬間であったし、ストーリーの流れや、父のそこに至るまでの言動からは想像ができないものであったので、観ている側にも父へのリスペクトがいっきに込み上げてくる。
是非観て欲しい映画。(ジンボさんありがとう)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軍事研究所爆破事件の犯人として逃亡生活を続ける夫妻とその子供達。長兄は音楽の才能に恵まれ、教師の強い勧めもあって音楽学校への進学をひそかに望むが。。。家族愛と親のエゴ、そして葛藤が描かれた良作。
最後父親の突然の変心はわからなくもないが、もうちょっと工夫してもよかったかなと思ったりもするけれど。 -
1988年 アメリカ映画
クリスティン・ラーチが印象に残った。 -
TVにて
逃亡生活を送る家族の中の子供、共にいる事の幸せと離れる事の幸せ、大人の都合の中で抑圧されて育ったのになんて素敵な少年になったのかと驚きだ、リバーフェニックスの演技も感性豊かな感じがよく出ていた。