大人のいない国 [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  •  本書に出て来た「矛盾」のとらえ方・考え方がおもしろかったです。
     『韓非子』に出てくる話は,矛と盾の話は,人口に膾炙しているのでよくご存じでしょう。
     世界一強い矛と盾を売っている商人に向かって「それでは,おまえの盾をおまえの矛でついてみろ」と言われて,商人が言い返せなかった…みたいな話だったと記憶しています。だから「矛盾」なんです。
     ところが,内田さんは,その男は「にやりとわらったのではないかと思う」といいます。そして,「どうなると思う?」と聞くのです。
     矛盾した言説に対して,それにどう折り合いをつけていくのか…それこそ「大人になっていくということだ」と内田さんたちはいいます。
    「矛と盾を並べて売ることではじめて,「無敵の武器=最終兵器」の出現は回避されている
    という文章が,とても腑に落ちました。
     「最終兵器は存在してはならない。」

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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