知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • なかなか実践に移すのは難しそう。
    登場してくる例はとても分かりやすかった。

  • とにかく書いてある内容をそのまま鵜呑みにする傾向がある人にとっては考えさせられる内容だと思います。受け身で理解するのではなく、自分で考えることの大切さを感じることができました。考える際のポイントがまとめられて良かったです。

  • 本書を読むとニュース記事にペンを入れながら読んでみたくなる。まぁやってないんですけれども。
    ちきりん著『自分のアタマで考えよう』と言いたいことは大体一緒。こちらの方が体系的にまとまっていると思う。
    自分で考えたつもりでも、「(常識的に)そういうものだからそう判断した」ということが多いもの。そう言える根拠はどこにあるか。別の立場に立ってみたらどう見えるか。

  • - 多分咀嚼しきれてないので、またどこかで読む。
    - ***
    - 複眼思考とは。また、なぜ重要か。
    - 複眼思考とは、ありきたりの常識や紋切り型の考えかたにとらわれずに、ものごとを考えていく方法のこと。   
    - 「常識」にとらわれないためには、何よりも、ステレオタイプから抜け出して、それを相対化する視点を持つことが重要。   
    - 知識も大切だが、「正解」がどこかにあるという発想からは複眼思考は生まれない。
    - 第一章 創造的読書で思考力を鍛える
    - 著者と関わりながら読書するコツ
    - 著者と対等になって文章を読む。書かれたものを不動の完成品だとは思わない。
    - 批判的に読書するためには二〇のチェックポイントがある。
    - その中でも重要なチェックポイントとして以下の四つをあげることができる。
    1. 著者を簡単には信用しないこと     
    2. 著者のねらいをつかむこと     
    3. 論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと     
    4. 著者の前提を探り出し、疑うこと
    - 第二章 考えるための作文技法
    - まず、結論を先に述べ、それから、その理由を説明するというスタイルをとる
    - 理由が複数ある場合には、あらかじめそのことを述べておく。また、説明をいくつかの側面から行う場合にも、あらかじめそのことを述べておく
    - 判断の根拠がどこにあるのかを明確に示す
    - その場合、その根拠にもとづいて、推論をしているのか、断定的にいっているのか、わかるようにしておく
    - 別の論点に移るときには、それを示すことばを入れておく
    - 文と文がどのような関係にあるのかを明確に示す
    - 問いの立て方
    - なぜ、という問いは、考えることを誘発する。
    - なぜを問う「因果関係」を確定するには、三つの原則がある。中でも、第三の原則(他の条件の同一性)が重要。
    - 原因だと思われている要因が、じつはあまり重要でない場合(疑似相関)に着目する。そのためには、原因以外の要因が影響を及ぼしていないかどうかに目を向ける。他の社会や組織、違う時代との比較が有効なヒントを与えてくれることがある。
    - 問いの展開
    -  最初のグループを複数のサブグループに分ける
    - 「なぜ」と「どうなっているのか」の組み合わせで問いを展開していく。
    - 問いを分解する場合には、どんな要因の影響があるのかを見当をつけながら分けて いく
    - 禁止語のすすめ
    - 使われる文脈を離れて、ひとり歩きをするビッグワード、マジックワードといえるのだ。  そこで、このようなことばを使用禁止にして、問題を考えてみる。
    - 別のことばでいい換えると、まどろっこしさを感じることもあるだろう。実は、まどろっこしいと感じた分が、そのキーワードを使うことで、考えずにすんでいる部分を示しているのである。
    - 概念
    - 概念はサーチライトである。新しい概念の発見によって、新しい問題が見えてくる。
    - ケースのレベルと概念のレベルの使い分けによって、問いを展開する。これは、問題の一般化と具体化ということに対応する。   
    - 二つ以上のケースを比較することで、両者に共通する特徴を概念としてつかみ出し、概念のレベルで原因と結果の関係を表現し直してみる。   
    - 概念レベルで考えた原因と結果の関係を他のケースにあてはめてみる。
    - 抽象化思考
    - 目の前の問題(事象)は、どのような要因(要素)の複合かを考える(=分解)。
    - それぞれの要因の間にはどのような関係があるのかを考える(=相互作用の抽出)。
    - そうした要因の複合の中で、問題としていることがらがどのような位置を占めているのかを考える(=全体の文脈への 位置づけ)
    - 意図せざる結果・抜け道の誘発
    - これから行おうとしていることが、どんな副産物を生み出す可能性があるのか。その波及効果をなるべく広い範囲で考えておく。ひょっとしたらその副産物によって当初の意図がくじかれてしまう可能性がないかどうかを考えたうえで実行に移す。
    - やろうとしていることに抜け道はないかを考えておく。抜け道があった場合、そういう手だてを使う人がどういう人か、それによって、当初の計画がどのようなダメージを受けるかについて考えておく。
    - 自分たちのやろうとしていることは、それぞれが集まった場合にどのような意味を持つのか。他の人や組織も同じようなことをした場合、全体の影響はどのようなものになり、それは当初の意図とどのようにずれてしまう可能性があるのかを考えておく。
    - 計画や予測を立ててそれを表明すること自体が、その計画や予測にどのように跳ね返ってくる可能性があるのかを考える。
    - メタを問う方法
    - 「なぜ、それが問題なのか」に着目することによって、ある問題を問題と見なす視点は何かをとらえる。
    - 同じようなことがらでも、問題にする視点によって問題のとらえかたや問題のしかたが違ってくることに注目する。
    - ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないのかに目を向ける。
    - さらに問題の文脈に目を向けるための方法として、
    - (a)ある問題を立てることで、誰が得をするのか損をするのかに目を向ける
    - (b)当該の問題が解けたらどうなるか、を考える。

  • 例示も豊富でわかりやすい。
    何度も読んで血肉にしたい。

  • 本書は著者の大学での講義を基にしているとのことだが、資料の読み取り方や分析の方法、批評の仕方など、これは社会人が読んでも役に立つ。
    本書の中で、大学の学園祭での上級生の発表を下級生が批評し、翌年は自分が発表する側になるというエピソードが一番印象的だった。
    自分の考えを相手に上手く伝えること、奢りなく適切に批評すること、どちらも一朝一夕では身につかない。日々研鑽を積みスキルアップに励もうと思う。

  • 批判的に生きる=代案も伴わないと意味がない。

  • どうしたら物事を多面的な視点で捉えられるようになるかという本。人はつい常識的に反射的に物事を考えてしまうので、多面的に考えるには技術がいる。これはその技術を教えてくれる。

    日頃からこのように思考できればいいのだが、やるのは実に億劫だ。言ってしまえば『ファスト&スロー』で言うところの「システム2」を働かせろということなのだから。ある意見に対して「なぜそうなのか」と疑問を持ち、論理を丁寧に追っていく必要がある。やれと言われたらその時はできるだろう。しかしネットニュースやTwitterを見ている時にこれをできるだろうか。そもそも複眼的に見ようと意識すらしないのが現実だと思う。複眼的思考を身につけるためにはやり方を知るだけでなく、日頃から訓練する必要がありそうだ。

    内容で一番同意できたのは3章。適切な問いを立てるのが重要という話で、考えを要求する問いの形に「なぜ?」があると書いてある。これはブログを書いていて実感している。良い記事というのは、良い問いから生まれることが多い。そしてタイトルを「なぜ〇〇は△△なのか」とする。これには理由があったのだ。経験から感じていたことが見事に解説されていた。

  • なんでも決め付けはよくないと思った。

    決め付けることによって、他人を傷つけるだけでなく自分の視野が狭いということを披露しているようなものだとも思った。

    でもたまには決め付けも必要で、その加減が難しいなぁと実際感じる。
    これだと決め付けない限りは何も意見のない人になってしまうことだってあるからだ。

    複眼的思考で物事を考えると、あらゆる可能性が考えられ、わからないことばかりじゃないかと思う。
    その辺の使い分けは本当に難しい。

    もう一度読んで知識を深めたいと思う一冊

  • 複眼的思考の方法をわかりやすく教えてくれる。
    マジックワードに気をつける。
    メタの視点を持つ。
    因果関係を問う。
    「なぜ?」と「~はどうなっているのか?」を交互に使いながら問を深めていく。
    具体的事柄と一般的事柄の往復運動で「考えていく」。具体性と抽象性を使い分ける=問題の一般化と具体化。
    「概念はサーチライト」。複数のケースに共通する概念は何かを明らかにする。
    「なぜ」という問いを起点にして新しい問いを発見していく(視点をずらした問い)。
    最初の大きな問いを複数の小さな問いに分ける。
    問いの主語を分解してサブグループに分けて考えてみる。
    「関係論的な物の見方を心がける」=「~」というラベリングを使わずに「~化」として問題を捉える。
    問題や事象を2つ以上の要素に分解する→相互作用の抽出→全体の文脈への位置づけ。

    「メタの視点」
    ①なぜそれが問題なのか→あることを問題とみなす視点は何か?
    ②ある問題を立てることで誰が特をするのか、損をするのか?
    ③「その問題が解けたらどうなるか?」→「よい結果」とはどういう視点で「よい」のかが分かる。
    ④ある問題がクローズアップされることで隠れてしまう問題がないか注意する。

著者プロフィール

オックスフォード大学教授

「2023年 『新・教育の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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