虹 世界の旅④ [Kindle]

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  • 幻冬舎
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  • 吉本ばなな「世界の旅」シリーズの第4弾。
    バリ島、エジプト、アルゼンチンと旅してきた、吉本ばなな。
    今回の舞台は、タヒチです。
     
    主人公は二十代後半の女性。
    子供の頃から、海沿いにある実家の食堂を手伝っていた彼女。
    高校卒業後に上京してからは、タヒチアンレストランで充実した日々を送ってきました。
    しかし辛い出来事があったことを境に、彼女の日常は変化してしまいます。
     
    彼女にどのようなことが起こったのか。
    その振り返りが、タヒチでの日々の描写と行きつ戻りつしながら、進展していきます。
     
    その展開が、本作品の読みどころだと思います。
    それと合わせて、以下のようなことを考えながら読みました。
    ・動物や植物が持つ力について、そのことに気づける人と気づけない人がいることについて
    ・欲を持って生きること、持たずに生きること、どちらが良いことなのか、どちらが生きていきやすいのか
     
    最初にこの作品のことを知って、読み始めた『世界の旅』シリーズ。
    その意識があったからかもしれませんが、全4作の中でも特に、印象に残る作品でした。
     
    自然の美しさ、動植物の生命力。
    その中で、人はどう生きるのか。
    それは都会での人生とは違うのか。
     
    『世界の旅』シリーズはこの作品が最後とのこと。
    続編を読みたい気持ちもありますが、この作家さんの違う角度から書いた作品を、今後も読み進めていきたいと思います。
     
    『不倫と南米 世界の旅③』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00FXNL42M
     .

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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