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感想・レビュー・書評
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吉本ばなな「世界の旅」シリーズの第4弾。
バリ島、エジプト、アルゼンチンと旅してきた、吉本ばなな。
今回の舞台は、タヒチです。
主人公は二十代後半の女性。
子供の頃から、海沿いにある実家の食堂を手伝っていた彼女。
高校卒業後に上京してからは、タヒチアンレストランで充実した日々を送ってきました。
しかし辛い出来事があったことを境に、彼女の日常は変化してしまいます。
彼女にどのようなことが起こったのか。
その振り返りが、タヒチでの日々の描写と行きつ戻りつしながら、進展していきます。
その展開が、本作品の読みどころだと思います。
それと合わせて、以下のようなことを考えながら読みました。
・動物や植物が持つ力について、そのことに気づける人と気づけない人がいることについて
・欲を持って生きること、持たずに生きること、どちらが良いことなのか、どちらが生きていきやすいのか
最初にこの作品のことを知って、読み始めた『世界の旅』シリーズ。
その意識があったからかもしれませんが、全4作の中でも特に、印象に残る作品でした。
自然の美しさ、動植物の生命力。
その中で、人はどう生きるのか。
それは都会での人生とは違うのか。
『世界の旅』シリーズはこの作品が最後とのこと。
続編を読みたい気持ちもありますが、この作家さんの違う角度から書いた作品を、今後も読み進めていきたいと思います。
『不倫と南米 世界の旅③』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00FXNL42M
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