ホーリー・モーターズ (DVD)

監督 : レオス・カラックス 
出演 : ドニ・ラヴァン  エディット・スコブ  エヴァ・メンデス  カイリー・ミノーグ  ミシェル・ピコリ 
  • キングレコード
3.62
  • (19)
  • (21)
  • (18)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 171
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003823986

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • \*\ 白いリンカーンリムジンの楽屋にて… /*/






    レオン・カラックスならではのパフュームが散りばめられた本作。 同監督の盟友:ドニ・ラヴァンの怪演が光っている。 年増の美女セリーヌがお抱えの運転手。 白いリンカーンリムジン(Type=タウンカー120インチストレッチ リムジン??)の広い後部座席がオスカーの、さながら楽屋なのである。     彼の演技の依頼主の素性は明かされぬまま物語は進む・・・   「Let My Baby Ride」という曲を彼がアコーディオンで弾きながら闊歩していくシーンの実にスタイリシュなこと。シビれる!  彼に続け!言わんばかしに次第に奏者が増えての行進になっていく。 これは1つの音楽PVにしたい程。 この長回しでの撮りの見事さは鳥肌ものだ。     墓地にて行なわれている撮影会。そこでのモデル(エヴァ・メンデス)をかっさらって逃げるシーンの冒頭では日本映画の、何と「ゴジラ」のあの有名な旋律がBGMで使われている。 カラックス監督のウィットに拍手! どことなく「キングコング」へのオマージュにも感じられてしまった。        終盤の依頼である「サマテリーヌ」(※「ポンヌフの恋人」で登場している、パリジェンヌ御用達らしいデパート)という廃業したデパートでの逢いびきシーン。ここではカイリー・ミノーグが登場し「Who were we?」という歌を熱唱するミュージカルに転ずる。 このシーンもまた、ある意味衝撃的であるのでご注目!       ラストの依頼のファイルには《自宅》《妻と娘が待っている》のタイトル。 セリーヌから今日の報酬(ギャラ?)と共に、家の鍵が手渡される。 同 じような白い家並みが、私には《ホーリー・モーターズ社》での白いリンカーンリムジンの配列と重なって見えた。 その家へと歩いて行くオスカーの耳に、家から流れてくる歌がとまる。 その歌詞もまた本作のコアにふれてもいるようで… そこで出迎えてくれたのは・・・?  営業を終え照明の落とされた広大な車庫で、何台ものリンカーンリムジン同士が、互いにライトを点滅し合って語りり会うシーンもどこか人間の井戸端会議のようで印象的だ。            /*/短いようでいて長い人生。長いようでいて短い人生。 人はみなどこかで、自分が自分であることに疲労困憊、猜疑を感じているのかもしれない。そして心の隅のどこかで新しい自分を見つけようと、あがいてしまう瞬間があるのではなかろうか。     『この世は舞台。人は皆、役者』と称したシェイクスピアの想いが 静かに本編に折り重なってくるのを感じる。 しかし…そこに待っているものは『現実に次ぐ「げんじつ」に次ぐ「ゲンジツ」』本当の自分からの逃避、別な自分への憧れ。時に純粋、時に堕落した「魂」の夢想と彷徨。      レオン・カラックス監督と怪優ドニ・ラヴァンここに在り!《なりすまし人生の奇術》が時に不気味に、哀しげに、且つリアルに体現されていく演出は見事の一語。  心ゆくまで存分にどっぷりとカラックスワールドに陥って 自らの人生の鏡面現象をも体感できそうな…? 得体の知れない魅力が散りばめられた作品に惹き込まれるのが似合うそんな秋の夜長、久々に「酔いしれる」という感覚になれた秀作であった。 /*/

    • hhhtmcnerdさん
      こんちにちは、mjff13xと申します。
      これまでも私のレビューに「いいね」を頂いて誠にありがとうございます。
      小枝様の本棚をたまに訪問...
      こんちにちは、mjff13xと申します。
      これまでも私のレビューに「いいね」を頂いて誠にありがとうございます。
      小枝様の本棚をたまに訪問させて頂いております。どの作品のレビューもホント素晴らしいです。映画好きなんだなぁ~って凄く伝わってくるんです。私も小枝さんのようにもっといい文章が書けるといいなぁって羨ましく感じております。
      ブクログは映画大好きな人と出会えたり、いい作品の情報をもらえたりするのでいつの間にか私には無くてはならない存在となっております。
      これからも機会あれば小枝様のレビューを拝読させて頂き、いい作品に出合いたいと思います。突然申し訳ありませんでした。重ね重ね「いいね」をいただき有難うございました。これからの励みになります(笑)
      失礼いたします。
      2015/09/26
    • 小枝さん
      mjff13xさん

      コメントをどうも有難うございます!
      系統の合いそうな方々の本棚に
      おめにかかれますと気になりフォローをさせて...
      mjff13xさん

      コメントをどうも有難うございます!
      系統の合いそうな方々の本棚に
      おめにかかれますと気になりフォローをさせて戴いています。

      独断と偏見の多々あるレビューですが
      今後もよろしくお願いいたします。
      コメントはいつでもお気軽にお寄せ戴 ければ幸いです。
      2015/09/26
  • 誰かの夢の中身

  • レオン・カラックス監督の映画人生を反映させているそうなので、難解というか、バラバラな内容が詰め込まれていてごちゃごちゃしている。
    魅力的ではあるけれど観ていて疲れた。町山智浩氏の解説を後から見たけど、映画を観る前に知っておけば無駄に疲れなかったかも。自力で理解しようとするのは無理な内容だった。

  • かなり難解。色んな人物を(多分依頼されて)演じている男の話。
    節々での会話の中で、伏線をつけられているような意味深なものを感じながら
    それをまとめあげられずに終わった。
    でも訳も分からず惹き付けられた。不思議。。
    もう一回観たい。
    解釈はかなり分かれるに違いない。
    「美しさとは、見る者の目の中にある」から。

  • 視線に対して演じること、自分に対して感じること。

    映画論のような映画で批評家向け。
    面白くはなく、テーマも単純だが、解釈の余地があり、そこを楽しむ映画。

    自分というものを殺し、役割を演じることでも、その中から自分という感情に向き合うことができる、そんな風に感じました。

  • いやいや、これは素晴らしい映画でした。
    オスカーって何者なんでしょうか?ホーリーモータースって一体…
    一日を通して時に悲哀に満ち、時に狂気の沙汰、時に謎めいていて一体どれをどう解釈していいのかわからない。だけど、どの作品にも引き込まれてしまうのはレオスカラックスの魔法とでも云えばいいでしょうか…
    こんなにも独創的で、美しくて、哀しくて、力強い作品そうそうお目に掛かれない。意味なんて分からなくても大丈夫。引き込まれてしまえばいい。映画だから、全て虚構でいい。これこそが映画だと私は思う。一人の俳優が無限のドラマを演じている。凄い作品でした。

  • 再鑑賞。
    カラックスの映画人生そのものであり、
    われわれの人生そのものでもある。
    今回は細部にぐっときた。
    メルドーのパートはあまり好きじゃないかなと思っていたが、
    モデル女の膝枕にどういうわけが胸が詰まる。
    また墜死体にぎょっとする。
    チンパンジーにぎょっとする。

    それにしてもこんな映画をとってしまったあと、どんな映画を撮れるというのだろう?

  • フランスの鬼才レオス・カラックス監督が13年ぶりにメガホンをとった作品。
    ある男が11通りの男になりすまし、様々な人物と関わっていく1日を描いた作品。
    難解...。理解に苦しむので、映像と流れを感じるに留めました。
    カイリー・ミノーグとか出てて懐かしい。

  • 人生は 愛と孤独の日々であることを美しい映像と世界観でみせた まさにカラックスな映画でした。
    観た後に取り残されるかんじ。
    孤独は美しい。

  • うーん、やっぱり私はフランス映画は苦手なんだなぁと確認させられた作品。たしかにテーマは何となく分かるし(ていうか、あんまりにも直球ど真ん中過ぎて、私は戸惑った)、またそれぞれのシーンの奇想も素晴らしいと思う。でも、この映画を見てワクワクしたかというと、その感じはない。それが成熟した文化であるといえばそうなのかもしれないが、やはり若さがなくて老いだけの作品というのは私には辛いんですね。

全19件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×