若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~ (光文社新書) [Kindle]
- 光文社 (2006年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (171ページ)
感想・レビュー・書評
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良い高校良い大学に入るための、詰め込み型◦穴埋め式義務教育は年功序列の型に収まるために貫かれた一本のレールだと思うと全てがしっくりきた。今から約20年前の内容だとは到底思えない。ツケを未来の若者に回し続けた国。老いて死んでいく者のために生まれてきたんじゃない。国の言う「若者の〇〇離れ」は、若者が自分の身を守ろうとすれば当然の結果でしかないだろ。
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30代で閉塞感を感じている1人として、まさにこの本に書かれていることはひしひしと実感できる。むしろ自分の中のもやもやをかなりうまく説明してくれている本だといえよう。多少記述内に偏見が強いところも見受けられるが、全般的にかなりよく日本の情勢を解説している良書だと思われる。ただ1点指摘しておきたいのは、自分の意見ばかりを通そうとしている若者は筋違いだということだ。人間は自己主張と自己抑制のバランスがとれていることが必要で、たしかにいままでの典型的な日本人は自己抑制が強すぎた面はあるだろう。だから会社内でももっと自己主張したり、自分のやりたいこと、生きがいなどを自主的に見つけトライしなければならない。本書を読んで、変に自己主張だけ強くなる若者が多くなることは懸念事項であるが、我慢ばかりを強いられている若者たちはぜひ本書をきっかけに立ち上がろう。別に会社を辞職しないまでも、社内でやりたいことは何か、それを考えてみよう。つべこべいう上司がいたら、本書を机の上においておけばいいでしょう。
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今を生きる若い者のしての意見にはなりますが、年齢層が上の世代との違いなど、働くことについて真面目に考えさせられる一冊でありました。
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「若者はなぜ3年で仕事をやめるのか」という刺激的なタイトルはマーケティング用。真面目に年功序列の弊害を解説。
タイトルにつながる部分をピックアップすると、若者は拡大しない組織=出世に対する空手形の中で丁稚奉公することに閉塞感を感じて転職しているということ。
処方箋は機能する成果主義の導入。つまり「キャリアの複線化」。
・高い権限を含むマネージャーの道
・高い専門性を持つプレイヤーの道
書かれていることは至極最もだが、これを日本企業で導入するのは大変困難である。
「マネージャーの道」はジェネラリストと呼ばれているが、近隣の企業を見渡してもマネージャー職についているのはジョブローテーションを経た単なる「素人」にしかすぎない。また、「プレーヤーの道」であるスペシャリスト志向は、日本企業の素人マネージャーの下で働くことを忌避している。 -
元富士通人事部で、成果主義を書いた人の著作。いわゆる若年層に広がるいわゆる閉塞感を上手く説明しているように思います。いわゆるねずみ講というのは、正しい比喩でしょう。要所要所で、納得できる箇所はままあります。