バチカン奇跡調査官 終末の聖母 (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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感想・レビュー・書評

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  • シリーズ通して読んでいます。
    いつもちょこちょこと気になる事がありつつも、オカルト好きなので読まずにいられないのですが、巻を増すごとに内容の面白さの方が勝ってきて、重箱の隅をつつくことはしませんでした。
    しかし、今回は良くも、(少しだけですが)悪くも、感想が書きたくなるような内容だったので、思ったことを書かせていただきます。

    すでに8作目となっているので、物語の最初のほうで起こる奇跡も、また怪しい麻薬の類の幻覚なんでしょ!と思いつつ読んでいたら、最終的にはSFめいたオチだったので驚きました。

    これに関しては、よくぞここまで壮大なスケールの話が思いつくよ!と手放しで賞賛したいです。凄いです。まるでトンデモ本を読んでいるようでした。

    しかし、あまりにも遠い着地点へ向かってガンガン進んで行くので、話を読むにつれて、「あれこれ何の話だっけ?あ、十字架が浮かんだった」みたいな感じになってきて、ラスト50ページほどは平賀の薀蓄が延々と続き、読み終わった時は疲労感でいっぱいでした。

    彼は丁寧にわかりやすく説明してくれるキャラですが、読んでいるこっちは、わかったような、わからんような。
    わからんのは自分の頭が悪いのかな?
    いや私はこんな話を読もうと思ってなかったよ?などと思わせられる程です。
    よく、薀蓄を読ませるのも小説化の力量のうち、と言われていますが、その点においては力不足が否めないのではないか、と思います。


    今回は調査官2人の目の前で奇跡が起こったので、素直にはしゃぐ平賀が微笑ましいと思いましたし、ちょっと神父らしくないセリフを言うようになったロベルトも面白かったですが、それでも基本的に、このシリーズにでてくる人物はあまりキャラ自体に魅力がないような気がします。
    神のしもべばかりなので、どうしても行動や言動が形式ばってしまうのは仕方がないと思っていましたが、特に今回は薀蓄が多かったので、ロベルトも平賀も知識が豊富すぎて逆に違和感を覚えるというか、人間味のなさに拍車がかかっていたと思います。
    まるでコンピューターのような知識を持っている割には、読んでいる方は伏線に気が付いているのに、登場人物は気が付いていないということもあって、妙な感じでした。
    セリフを喋らされて、都合のいいように動かされる駒、という感じでしょうかね。
    この点は自分でもちょっと辛辣な事を書いている自覚はありますが、ここさえ良ければ……と、思うことが多いので、期待を多分に含めていると捉えていただけるとありがたいです。
    爆弾のくだりはコミカルで面白く、興味深い内容でよかったです。
    同じ見開き内で同じ人物が、「すごい」と言ったり、「凄い」と言ったりしていましたが、これは校正の方のお仕事でもあるのでここで書くことでもないような気がしました。すみません。

    9冊目もすでに出ていますし、勿論私も読ませていただくつもりです。楽しみです!

  • 再読:ローレンに代わり、チャンドラ・シンが登場する本巻。以前読んだ時は「堅物だな〜」と思ったけれど、今読むととても可愛らしいキャラクターのような気が。
    今回の奇跡の解説は難解で、ロベルトとともに「平賀、ちょっと待って」と焦りました。

  • 今回は奇跡調査に行くわけじゃないんだけど、結局奇跡調査になる話。
    しかし、ロベルトも平賀もほんと天才で、二人の天才を描ける作者の博学ぶりもすごいとつくづく感心してしまう。一行一文の読みにくい文章も時折ひっかかる言葉の誤用も吹き飛ぶほどの知識とパワー。今回は生物学、地学、それにメソアメリカの歴史や文化が山盛りで、神様の名前や地名や人の名前を覚えるのも一苦労だし、平賀神父が喜々として説明してくれる話もほとんど理解できなかった気がするけど、アイディアとしてはとても面白かった。
    でもちょっと、最初に読んだ「千年王国のしらべ」のような、あくまでキリスト教的な、「バチカンの」捜査官的な雰囲気が懐かしいような。

  • シリーズ第7弾。
    バチカン法王選挙が行われる中、平賀とロベルトが訪れたメキシコの寺院で法王候補の名を刻んだ彫刻が宙に浮くという奇跡が起こった。果たして奇跡か、それとも法王選出にからむ陰謀なのか。2人は調査を開始する…
    シリーズの中でも奇跡のスケールの大きさは群を抜いている。メソアメリカの歴史から宇宙規模の科学を駆使して組み立てられた壮大な物語。相変わらず難しかったけど。
    新キャラとしてローレンの代わりに平賀たちをサポートするチャンドラ・シンが登場したが、この人も謎めいていて今後が気になる。

著者プロフィール

大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリーや伝奇など、多岐にわたるジャンルで活躍する。「バチカン奇跡調査官」シリーズは累計140万部を突破するヒットとなり、アニメ化もされた。他の著書に「朱雀十五」シリーズ、「陰陽師 鬼一法眼」シリーズ、『太古の血脈』など多数。

「2022年 『バチカン奇跡調査官 秘密の花園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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