- Amazon.co.jp ・電子書籍 (214ページ)
感想・レビュー・書評
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星1つと評価する本なんてあるのかなと思っていましたが、ついにそういう本と出合ってしまいました。
これは悪書です。
興味をひかれて一気に読みましたが、読後感の悪いことこの上なし。
気分の悪さは、まず「ひとっつもわかってないのね、この人」ということ。企業のガバナンスを生業としている身から見ると、あらゆる言葉の端々が、アウト。
何に対して罰せられたかの問題の基を理解していない。例えば、自腹を切ったと言っている金の出所が子会社の交際費、ってそれは自腹じゃないでしょ。
次に、井川家の没落を嘆くことはあっても、社員を迷わせたことへの自責の言葉がないこと。
仕事ができる人だったと評価されているけれど、社員一人ひとりの人生に対する責任感が欠如していてそれで仕事ができる人といえるのか。
最後に、親の犠牲になっているということ。
親の敷いたレールの上を進まざるを得なかった状況が生んだ悲劇だと思えて、そのことにムカつく。
親のせいにしてんじゃねぇよという意見が大勢だろうが、本人が他の道を望んだとしてもそれは聞かれなかっただろうし、望むこと自体を本人の心が封じ込めてしまうような状況を生み出したのは親である。きっと、子供の頃、どんな人生を歩みたいかと一度も親から聞いてもらえなかったのだろうな。
「仕事をしていて一度も楽しいと思ったことがなかった」という言葉に戦慄を覚えた。本人は創業家出身の有能経営者だと自分のことを思っていただろうが、この言葉は真の経営者の言葉ではない。この人、経営者向きではないです。
親が自分の希望をかなえるために子供を犠牲にすることって、ほんとに罪よね。
なぁ~んてことを考えていると、ものすご~く不快になってしまうのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示