ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者 [Kindle]

制作 : 滑川海彦 
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (507ページ)

感想・レビュー・書評

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  • アマゾンとはグーグルに似て、もっとスマートな会社だと思っていたが、全く異なる社風。
    最近の「教科書」的には、働きやすい環境を整え、スマートクリエイティブが集まる職場にする、ということなんだろうが、アマゾンは決してそうではない。むしろブラック企業に近い印象。
    それでもこれだけ成長できるのは、創業者のビジョンが確りしていることと、実行力があること、そして倹約文化が根付いていること。

  • アマゾンの創業者ジェフベゾスの半生とアマゾンの歴史が事細かに書かれています。言わばジェフベゾスの伝記のようなものです。

    アマゾンは徹底した顧客第一主義を貫いています。会社の無駄は極限まで省き、商品の価格を下げる努力をしています。他の会社でもそうあるべきかもしれませんが、アマゾンほど徹底している会社は他にないかもしれません。
    この考え方は中国戦国時代の墨子のイメージと重なります。
    “衣服は季節の寒暖から身体を守るために着る 。その目的を果たすことが大切で 、華美な装飾は不要である 。舟や車をつくるのも 、河川を確実に運行し 、坂道や低地でも容易に移動したいからである 。機能に徹して製作されなければならない 。ぜいたくな設備は廃すべきである 。これらの道理と同様に 、国を治めるためには 、財貨は合理的に無駄なく使用すべきである 。財貨や軍兵をいたずらに浪費して 、民衆の苦しみを増やしてはならない 。”※哲学と宗教全史より引用

    ジェフベゾスはエブリシングストアを目指しています。今でもなんでも揃うイメージがありますが、生鮮食品などまだ進出しきれていない分野もあります。まだ進出しきれていない分野には必ず進出してきます。困難はあると思いますが、様々な困難を乗り越えてきたアマゾンなら新たな分野も開拓していくことでしょう。

  • Amazonの成り立ちと成長がベゾスの思想から成り立っていることがよくわかる。たくさん失敗しているにも関わらず成長している様がすごい。トライの数と失敗の数がとても多く果敢に前に進んでいる感じだ。

  • Amazonという巨大企業を一代で築いたベゾス氏がどんな人となりなのか知りたくて購入。先日読んだイーロン・マスクとの比較もしてみたかった。読み終わった率直な感想だが、ジェフ・ベゾスは本書中にもあった通りまさに「ガゼル」だなという強烈な印象を受けた。カリスマ経営者の御多分に洩れず、気性の激しい厳しい人で、競合を駆逐していくスタイルも恐ろしい。しかし競争の激しい世界で生き残り成長するためには、普通のことを普通にやるだけてまは決して叶わないのだなと再認識した。

  • 【ベゾスが考えるAmazonの中核をなす五つの価値】
    ・顧客最優先
    ・倹約
    ・行動重視
    ・オーナーシップ
    ・高い採用基準
    のちにイノベーションが追加され、アマゾンの中核価値は六つとなる。p. 25%

    AWSの登場でエブリシング・ストアの意味合いが大きく広がり、スポットインスタンスやストレージテラバイトなどなんともミスマッチな商品がアマゾンの棚に並ぶようになった。p.60%

    イノベーションのジレンマを解消して成功する企業は、「破壊的技術を中心に独立の新事業を立ち上げる自律的組織を設置した」ところだという。(クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』)p.63%

    アマゾンの価値とはベゾスの経営理念である。利益率は低く、社外からは疑いの目で見られ続けるという厳しい状況で20年間耐え、そのなかでつちかわれた経営理念である。アマゾンという会社はベゾスの頭脳の周りに組まれた枠組みのようなもの、彼の創意工夫をできる限り広い範囲に広げる増幅装置のようなものだと言えるかもしれない。p. 87%

    【訳者あとがき】
    Kindle発売時にはベストセラーや新刊書のデジタル版を仕入れ値より安い9ドル99セントで提供したが、これも、他者の追随を振り切り、電子書籍市場の覇権を握るためという側面がある。
    このようなことができるのは、利益率が低いという強みがアマゾンにあるからだ。書き間違いではない。顧客第一主義で価格を下げれば利益率も下がるが、それを弱みではなく強みとするのがベゾス流なのだ。利益率が高ければライバル企業が研究開発に投資して競争が激しくなるが、逆に利益率が低ければ顧客は集まるし市場を守りやすい。ベゾスはこれを「スティーブ・ジョブズの失敗を繰り返したくない」と表現することもある。iPhoneをびっくりするほど利益があがる価格にして、競争相手をスマートフォン市場に引き寄せた愚は避けたいというわけだ。p. 91%

    《解説 エブリシング・ストアからエブリシング・カンパニーへの20年 by 滑川海彦》
    【ビジョンに向けて修羅場を重ねる】
    「講釈の誤り(narrative fallacy)というのは、2008年の金融危機を確信をもって予言したことで有名になった経済理論家、ナシーム・ニコラス・タレブが『ブラックスワンー不確実性とリスクの本質』で詳細に論じたコンセプトだ。タレブはオーストラリアで「黒い鳥」が発見されるまでは人類は〈すべての白鳥は白い〉と確信していたことを例に、「ブラックスワン現象」というものがあると論じた。簡単に言えば「人は異常なことが起きることをなかなか予測できない。しかしいったん起きるとそれが必然だったという理屈を作りだす」ということだ。p. 92%

    《付録 ジェフ・ベゾスの愛読書》
    ・『日の名残り』カズオ・イシグロ
    ・『私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ』サム・ウォルトン、ジョン・ヒューイ
    ・『会長からのメモー機知とユーモアの経営』アラン・グリーンバーグ
    ・『人月の神話ー狼人間を撃つ銀の弾はない』フレデリック・P・ブルックス・ジュニア
    ・『ビジョナリー・カンパニー ー時代を超える生存の原則』ジム・コリンズ、ジェリー・I・ポラス
    ・『Creation: Life and How to Make It』スティーブ・グランド
    ・『イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』クレイトン・クリステンセン
    ・『ザ・ゴールー企業の究極の目的とは何か』エリヤフ・ゴールドラット、ジェフ・コックス
    ・『リーン・シンキング 改訂増補版』ジェームズ・P・ウォーマック、ダニエル・T・ジョーンズ
    ・『Data-Driven Marketing: The 15 Metrics Everyone in Marketing Should Know』マーク・ジェフリー
    ・『ブラック・スワンー不確実性おリスクの本質』ナシーム・ニコラス・タレブ

  • ジェフベゾスの半生と、amazonの設立からの歩みを詳細に追った労作。Appleのスティーブジョブズと比べられることも多いベゾスだが、シンプルさへのこだわりが芸術家に近かったジョブズに比べ、ベゾスはまさに大いなる野望を持ったビジネスマンという印象。AppleがiPhoneで大きな利益率を上げたことが他社のスマートホンへの参入を招いたとの観点から、あえて利益率を低く抑え、徹底的に規模を追求し、他社が参入してこないようにするというベゾスの経営哲学が印象的。

  • なかなかメディアの前に出てきて過去や未来やポリシーなんかを話すことのないベゾスの人柄や考え方に触れることのできた本だった。アマゾンは便利なサービスで、消費者としてはなくてはならないものだが、いざこの会社で働きたいかと問われたらちょっと考えてしまうなぁ…

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

  • 今まで読んだ本で一番長い本です。伝記として読み応え抜群。ブレない信念・ビジョンで突き進む姿とうまくいかない時代をどうやって乗り越えてきたのか興味深い一冊。会社・組織って面白い。

  • 言わずと知れたアマゾン創業者の伝記。
    「エブリシング・ストア」を目標に掲げ、それに向かって突き進んだ歴史を描く。
    今でこそシステム化されたオペレーションがその強みだが、創業当初は皆で休日深夜を働かないといけないようなギリギリのオペレーションだった。
    それをここまで巨大化させたのは、ジェフ・ベゾスの確固たるビジョンと、トップ以下社員の妥協無い(妥協が許されない?)ハードワークの賜物なのでは、と読みながら感じた。本書はジェフの礼賛だけでなく、ネガティブな面を含めて描く点が面白い。

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著者プロフィール

ブルームバーグニュースのシニアエグゼクティブエディター。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(日経BP社)の著者。15年以上にわたり、シリコンバレーについて報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住。著者のウェブページは、http://www.brad-stone.com/

「2018年 『UPSTARTS』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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