本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (161ページ)
感想・レビュー・書評
-
ビリーは無垢な幼子の魂を持つように描かれているけど、殺人者でもある。船長は理不尽でやるせない状況の中でも為すべき事を為す偉大な人物のように描かれているけど、後日譚の中で早々に戦死する。クラガートは生得の悪人のように描かれているけれど、ビリーを見つめて涙を浮かべる描写もある。
全てが「当たり前」にはいかない。でも、「こういうことも起こりうるだろう」と思われる。物語は「白鯨」などと異なり、素早い場面転換をしながら粛々と進む。そして、ビリーの処刑の場面では強い感情の高まりがある。登場人物もしっかり切り分けられて印象的だ。未発表の遺稿にも関わらずよく完成された中編。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示