さようなら、オレンジ [Kindle]

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  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 英語がもっと読めたりきけたりすればいいのにとここのところ強く思っているので、オーストラリアの英語学校で出会うアフリカ難民だった女性と日本から渡豪した女性の話、ときいてすぐ読んでみたのだけど、すごくよかったーー。
    母国語と英語、生きていくために習得する外国語、自分というものを表現するための言葉、とかとかいろいろ考えさせられた。あと、すごく陳腐なことを言うようだけれど、なにがあってもあきらめないことが大事、っていう。希望があるところがものすごーーくよかった。
    ふたりの女性のことが少しずつだんだんわかってくるという構成も引きこまれたし、文章も読みやすくて、ストーリーにも緩急がある感じ。あと、翻訳もの?と思うような、アメリカ文学っぽい雰囲気があるような。簡単な英文のEメールが突然出てきたときはちょっと驚いて、すごく効果的だと思った。(これはあとがきでも触れられていたけれども)。

    デビュー作らしいけれども、この著者の作品はこれからも読んでみたいと思った。

  • 自国の戦火から逃れてきた難民のナキチ(サリマ)、夫とともに移住して永住権を取得する日本人(ハリネズミ)の二人の女性の目線で綴られる、オーストラリアでの無言の差別と壁の中で、健気に強く生きる物語。静かなんだけど熱くなる。仕事で外国に住んでいるだけの僕は、ハリネズミの旦那さんと同じ立場だろう。むしろ、そんな僕についてきて言葉の壁に苦しみ続ける妻の方が響くところの多い話だったのではないか。妻をもっと労り支えてあげないといけないなと思わされる。

  • 自分には合わなかった。メタ構造(っていうのかな?)はいいとして、翻訳本の体裁とか期待してた内容ではなかった。まあ難民移民の抱える問題の極々一部は垣間見れたのかな。

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著者プロフィール

大阪生まれ。2013年『さようなら、オレンジ』で第29回太宰治賞を受賞し、デビュー。同作で第150回芥川賞候補・第8回大江健三郎賞受賞・2014年本屋大賞4位。2015年刊行の『Masato』(集英社文庫)で第32回坪田譲治文学賞受賞。他、『ジャパン・トリップ』(角川文庫)、『Matt』(集英社)、『サンクチュアリ』(筑摩書房)の著作がある。

「2022年 『サウンド・ポスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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