国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき (角川文庫) [Kindle]

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  • 国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りき
    (和書)2009年04月24日 00:03
    2007 太陽企画出版 佐藤 優


    非常に面白く読めました。イエスに関する部分が面白かった。

    P208~209
    ・・・・・イエスを引っ掛けようとしてパリサイ派の学者が、パレスチナの地を占領しているローマ国家に税金を納めるべきか否かと尋ねます。ローマ帝国の命令に従って税金を払えというならば、ユダヤ教の戒律違反ということでイエスを非難できる。逆に税金を払ってはいけないというなら、国家に対する反逆で、ローマの官憲がイエスを逮捕することになる。イエスはコインを取り出し、「誰の顔が描いてあるか」と問う。聞かれた者は「カエサル(皇帝)の顔が描いてあります」と答える。するとイエスは、「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返せ」と答える。この問答はとても面白いと思います。・・・・・

    ○ダブルバインドになる現実を見事に批判しているようにみえます。その現実批判の指摘が面白く感じました。○

    ・・・・・イエスは人間が作ったもののなかに、人間を規制する危険なものが含まれていると考えました。その中でもとくに危険なのが貨幣と国家です。イエスという人は、教養のレベルは中の上くらいで、決して一級の知識人ではありません。ただし大変な洞察力をもっていたことは間違いない。人間が作ったものに人間が支配されることにイエスは嫌気がさしたんでしょうね。国家や貨幣は神に代替する価値はもちえません。ただし。現実世界で国家も貨幣も力を持っているし、その存在を拒絶しても仕方がないと思ったんでしょう。イエスの倫理教説はプラグマティックなんです。それだから国家や貨幣の問題と真剣に取り組まない。そのようなテーマ自体を拒否したのです。・・・・・

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・「内在的論理を把握」するのが、どれだけ高度な知的作業なのか、また、歴史の歩みを知らないとできないことなのかを垣間見させてもらった。合っているかどうかは分からないが、ここまで深い作業だったんだな。

    【目次】

  • -

  • 面白い!が、自分の知識不足もあり、なかなか理解出来ない部分もあり、また再読が必要かも。イデオロギーや概念の部分は佐藤さんの著作は皆難しいと思う。

    一番記憶に残ったのは風船爆弾。一見しょぼい子供だましかと思いきや、なかなかよく考えられ脅威を与えていたという事実は新鮮だった。国粋主義者と呼べばいいのだろうか?若干右翼の有名人の知らない名を知ることが出来たのも良かった。

  •  著者の本を読んだのは初めてである。キリスト者であることは初めて知りました。それゆえに「外務省のラスプーチン」と呼ばれたんだなあ。本の内容には興味も共感もわかなかったけど、著者には少し興味がわいたかな。
     だけど、本書での著者の印象は明晰なノンキャリ公務員という事前のイメージのままであり、そういうタイプの人の書く文章は仕事で読み飽きているので、自分の余暇にわざわざ読むことはないなってのが僕の結論です。著者の他の本を読むことはもはやないな。まあ、周りにこういう人がいない人(ニートとか専業主婦とかか?)は読んでみるのもいいんじゃないでしょうか。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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