ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む (ちくま新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 友達の著作。文章力に魅せられる。言葉の選び方と繋ぎ方。目次の吟味。そしてフーコーの魅力。じっくり読んでいる。以降は本からの引用です//「価値を変えろ」とは、見方を変えるということだ。だが、言われているほど簡単ではない。価値の変化や視点の転換は、あらかじめしつらえた社会的に通用する枠に揺さぶりをかけ、それを震撼させ変えてしまうようなきっかけがあってはじめて可能になるものだからだ。結論がどうなるのかわからないままある予感を従えて対象に向かう方がどれだけ楽しいだろう。そういうプロセスの中で新しいテーマがおのずと現れ格闘する資料や文献の側から何かが語りかけてくるのではないか。サド役はとても疲れる。刑罰の単調さ。身体刑とは一つの技術である。だから法律を度外視した極度の激情と混同してはならない。死刑執行人の末路。よりよく裁くとはより人道的に…ではなくより上手く裁く。
    規律は身体、空間、時間を配分することで成立つ。軍人の理想像…一転して規律化された近代軍…。道徳なるものが、実はいくじなしでうらみがましい「弱者たち」による手前勝手で卑近な意図…。国家が規律化を発令し命じているのではない。むしろ規律化に関わる複雑な機構、エージェント、相互行為の集積、メカニズムの総体が近代国家を形成してきたのだ。

  • p.2020/9/20

  • メインの監獄の誕生読解は非常にわかりにくい本をわかりやすく解説されようとしてでもやっぱりまだまだわかりにくいぜというレベル。それでもなんとか読めるくらいには噛み砕いてくれている。
    フーコーのWikipediaくらいは読んでから臨まないと厳しい。

  • フーコーに入れ込んでいる研究者がひたすら、フーコーってすごいの、だって云々と延々に説明する本。その異常とも写りかねない愛情が気味悪くすらかんじる。バイオパワーの日本社会におけり意義などの考察があればと期待ぢて読んでみたが、それ以外にも得るものは無かった。

  • フーコーに入れ込んでいる研究者がひたすら、フーコーってすごいの、だって云々と延々に説明する本。その異常とも写りかねない愛情が気味悪くすらかんじる。バイオパワーの日本社会におけり意義などの考察があればと期待ぢて読んでみたが、それ以外にも得るものは無かった。

  • これほどに愛情深いレビューも珍しいと思う。
    僕がフーコーなら重田さんには会ってみたいが
    絶対に住所を教えたくないだろう。

    冗談はさておき、フーコーの読解であるから
    非常にスリリングである。3.11以降に書かれた
    書物ということも著者自身がよく意識していて今、どのようにフーコーを読むかという点でよくできている。

    「犯罪者は役に立つ。ただし政治化しない限りで。」

    こうした視点は今の日本においても浸透しつつあるが
    一方で「プロ市民(笑)」というような
    政治を無力化したい風潮もある。

    しかし、政治はより強力に浸透する社会へと進むのは
    避けようもない。デトックスしたい気持ちは分かるが
    それはもはや無理である。
    まず、理解して受け入れることから始めないと
    簡単に絡め取られてしまうだろう。

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著者プロフィール

明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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