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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (358ページ)
感想・レビュー・書評
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電子書籍で登録しているけど、読んだのは紙の本。
紙の本は探してもヒットしなかったので。
抽象化のいきすぎた現代美術への皮肉をジョークにくるんだ、愉快なやつ、と記憶していたのだけど、再読してみたら全然違った。
表現に必要なものはそこに切実に伝えたい何かがあること、もっと言うと切実に伝えたい何かを見つけることがすべてであって、それが見つかりさえすれば形式や出来ばえなんて気にする必要ない。読者がたった1人しかいない個人的な手紙であってもいいし、なんだったらできあがったものをじゃがいもの納屋に鍵かけてしまい込んで誰にも見せなくたっていい。
で、ヴォネガット先生にとってのそれは言うまでもなく、ドレスデンの空襲であって、そこにいたるまでの行きつ戻りつの道のりをさらけだした非常に個人的な告白だったのだなぁ、と。
陽気なうかれ騒ぎの裏で登場人物はみんなその切実な何か、を求めてさまよってた。いつもそうだけど、その姿が滑稽で哀しい。けど、彼らにむける眼差しはやっぱり優しいのがヴォネガッド先生の好きなとこ。
次は母なる夜を読みたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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