特捜部Q-Pからのメッセージ(上) [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 特捜部Qシリーズ第3弾は、スコットランドの海岸で発見されたボトルメールを端緒とした事件。6年も海中を彷徨い、漁網に引っ掛かり警察署に保管されたまま7年も忘れ去られていたボトル。ボトルに封入されていた紙には、"助けて" というメッセージが血で記されていた。

    一方、新興宗教を狂信する家族を狙った用意周到、凶悪な身代金誘拐殺人事件が進行していく。「宗教で結びついたコミュニティはいろいろある。そしてその多くが一人の指導者を崇拝することによって、一定の期間が経つと自ずと閉鎖的な一団になっていく。そうしたコミュニティは適切な条件がそろえばすぐに、ポウル・ホルトの殺害犯のようなサイコパスにとっての絶好の狩り場になる」。

    今回特捜部Qは、ローセが出勤拒否。代わりにローセの姉のユアサが助手を務めるが、ローセにも増して癖があって…。アサドも謎の動きをしてカールが悩ませる。

    現在進行中の誘拐事件は解決を見るのか? 下巻の攻防が気になるなあ。

  • 下巻にて

  • 引き続き、オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』を聞き始める。

    冒頭で、ボート小屋に監禁された宗教2世らしき少年の兄弟の苦境が語られる。救いを求めるメッセージは瓶詰めされて海を漂流するが、それが開封されたのは、海辺で拾われ、警察署の窓辺に放置されてから7年後のことだった。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』の続き。

    コペンハーゲン警察の管轄で起きている連続火災事件の被害者には、過去の未解決の火災事件との共通点があることにアサドが気づく。被害者の小指の骨にへこみがあったのだ。纏足のように、幼い頃から指輪をしていて圧迫された跡ではないかという。カールとアサドは、火災現場にいた保険調査員から、そこにあった遺体は別の場所で殺害されて焼かれた後に、ここに運ばれもう一度焼かれた可能性が高いという情報を仕入れる。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』の続き。

    カールに邪険にされ、出社拒否をおこしたローセに代わってやってきた双子の姉ユアサは得意のクロスワード能力を駆使して消えかかったPからのメッセージの解読を試みる。

    「助けて
    ぼくらは1996年2月…6日に誘拐された―
    バレルプのラウトロプヴァングのバス停で―
    男は身長1.8…、短い髪―
    ……………………そして右の…に傷あと―
    ブルーのライトバン……………………
    親が知っている男だ!
    ……は………………B―男はぼくらをおどして……………………
    ぼくらは殺される―
    男はまずぼくの……………………弟の…………………………
    ぼくらは1時間近く車に乗って……どこかの海辺にいる―
    …………………………………………ここは臭い―
    ……………………………………
    …は…………………………歳―
    ………………………………
    ポウル・ホルト」

    この文面を見て、カールがまだグズグズしてるようなら、ローセじゃなくてもイラッとくるだろう。いいかげんにしろと。

    アサドの正体は相変わらず不明のまま。殺人捜査課に配属されたサミル・ガジとは何か関係がありそうだが、おたがいに距離を置き、サミルは転属願いを出したという。またアサドは早朝まだだれも出勤していない時間に出社して、スカイプでだれかと連絡をとっていた。おいおい、そろそろちゃんと問いただしてもいい頃合いじゃないか、カール。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』の続き。

    ボトルメールの送り主の名前が判明した。ポウル・ホルト。アスペルガー症候群の物理と数学の天才で、飛び級で大学に入学してきた当時の1年生が、弟を連れて大学を訪れた2月のある日以来、ふっつりと姿を消し、実家に問い合わせても梨の礫だったという。ポウルと弟のトレクヴェはエホバの証人の家に育った宗教2世だった。

    「瓶を海に投げ込んでから二分も経たないうちに、ポウルは殺されました」
    「誘拐犯はお兄さんを殺しておいて、あなたの命は助けたんですか?」
    「ええ、あいつは僕の命を助けました。あれ以来何十万回となくあの男を呪っています」

    「彼」もまた宗教2世だった。彼が狩りに出かけたすきに、彼の正体に疑問を抱いた妻が、段ボール箱に入っていた彼のファイルを盗み見た。彼は新興宗教に異常な執着を持っているようだった。彼は、多産家の宗教一家の子どもを誘拐し、身代金で生計を立てる男だったのだ。だが、獲物を物色するための拠点を確保するために、肉体関係をもったイサベルが、警官を兄に持つコンピュータのスペシャリストだったことで、計画の歯車が狂い始める。彼がイサベルのことをひそかに調べたように、イサベルも彼の身元をひそかに調べていたのだ。このままではどこかで足がつくかもしれない。だが、その懸念も、彼の計画を押し止めることはなかった。彼は次なる標的を誘拐する。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』の続き。

    カール・マークを巻き込まれ型の被害者にしておくほうが、物語を引っ張るうえでは都合がいいのかもしれないが、なんの手も打たずに運命に翻弄されるままになっている彼を見ているとイライラする。浮気症で夫を金づるとしか思ってない妻のこと、生意気盛りの義理の息子のこと、自宅に引き取った全身不随の元同僚ハーディのこと、仕事を放り出したまま帰ってこないローセのこと、その双子の姉のユアサのこと、そして、明らかに何かを秘匿している正体不明のアサドのこと。案の定、アサドは警察に届け出ている住所には住んでいなかった。いいかげんどこかに手を付けて動き出さないと、放り出して別の作品にいっちゃうぞ、カール。なお、これは脅しではない。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:Pからのメッセージ・上巻』が今朝でおしまい。

    イサベルが「彼」がコンピュータで検索したログをたどって、誘拐された兄妹の両親のもとを訪ねてきた。「彼」の知らないところで、「彼」を追い詰めることでイサベルとヨシュア&ラーケル夫妻は共闘することを決める。

  • つっこみどころが多すぎてwww
    訳のせいかもしれないけどwww

    アサド、何者?
    ローセからユアサにしなきゃならなかった理由は?
    下巻かな

  • 前2作のようにサクサク読めなかった。上巻は、しんどくて、やや飛ばし気味に読み進んで、下巻へ・浮かび上がってくる事件の概要に、やめてくれ言いたくなる。

  • このシリーズ1作目が面白かったのに2作目がつまらなく、少し距離を置いていました。
    久しぶりに恐る恐る読んでみると、とても面白かった。謎のアシスタントのアサドのみならずローセまで奇妙なキャラクターとなってびっくり。新興宗教家2世の問題を取り上げているのですが、今世の中を騒がせている問題とタイムリーに重なってしまい、恐怖を感じつつ下巻へ。

  • 面白かった。感想は下巻で

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