食品の裏側2 実態編―やっぱり大好き食品添加物 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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  • 「食品の裏側」の続編。前作は2005年執筆、本作は2013年執筆とのことなので、情報が8年分アップデートされているが、内容は基本的に変わらない。なので、自分的には前作を押さえておけば十分だった。

    本書で得た情報をいくつか。

    カップアイスなどで良く見かける「ラクトアイス」は「アイスクリームのクリーム部分を植物性油脂に置き換えたもの」、「マーガリン」は「乳脂肪を含まない食用油脂に水等を加え、乳化させた可塑性(自由に形を変えられる)のある油脂で、油脂分が 80%以上含まれているもの」、「半固体状ドレッシング」は「卵を安い乳化剤で置き換えた「マヨネーズもどき」、野菜ジュースの「濃縮ペースト」は、「世界各国さまざまな国の原料が使用されてい」て、「値段が安ければ世界中どこからでも集めて」くるので「そこには必ず残留農薬などのリスクが発生する」、など。

    著者は、添加物を促す消費者の5つの嗜好、すなわち
    ①安い(増量、置き換え、輸入品)
    ②簡単(だしも料理もつくらなくていい)
    ③便利(いつでも買える。長期保存。手間いらず)
    ④きれい(家庭でつくるより色・形がきれい)
    ⑤オイシイ(つくられた濃い味)
    を諌めている。要は、見た目や便利さより、不揃いでも安心な食材を選ぶべき、「本物は「値(段)がはる」ことを知るべし、ということだ。ちなみにスーパーのPB(プライベートブランド)は、添加物を多用しているから安いという。

    そして、食の嗜好として「ひふみの原則」と「昭和そうす」を提唱している。

    「ひふみ原則」
    ひ――非伝統的なものは食べない
    ふ――不自然な食べ物は食べない
    み――未経験な食べ物は食べない

    「昭和そうす」
    しょう=少食(少量で多品目)
    わ=和食(伝統的な家庭料理)
    そ=粗食(素朴な田舎料理)
    うす=薄味(素材を生かした味)

    年齢を重ねるとともに、自然と和食嗜好になってきている。それこそ、10代20代の若い頃は煮物の素朴な味わいやほうれん草のお浸しのさっぱり感など見向きもしなかったな。これは身体にとっていい傾向なんだな。ちょっと安心した(育ち盛りの若い人には辛いかも)。

  • 食品の裏側で全て述べられているなかで、2では個別の食品添加物について述べられていること、さらには農薬や化学肥料にまでげんきゅうしていることが、前作との違いです。

    私達消費者が姿勢を改めないかぎり、企業は食品添加物の使用料を増やす一方です。
    消費者が求めるから、企業はそれを使って稼いでいく、当たり前のことです。
    だから、食事が簡単なものだと思わず、自分で食べるものは自分でしっかりと考えて選ぶようにしましょう。
    そうしないと、いつか健康を害する日が来るかもしれませんね。

  • ・酸味料などが入ることで通常では甘すぎて飲めないものも飲めてしまう(清涼飲料水)。甘みを足すことで本来しょっぱすぎる味もちょうど良く感じる。
    ・添加物の認可は結構いいかげん。昔に認可がおりたものはPCもない時代の当時の調査に基づく認可だし、TPP加入に伴い海外の圧力で日本の調査なしで認可してたりする。認可されてるから安全だよね、という考えは危ない。体に悪影響があるかもしれない、わからないものは体に取り入れないほうがよい。
    ・生協といってもピンキリ。添加物なし有機野菜等に本当にこだわってる生協は価格も上がるしあまり会員数が伸びなかったりする。

    前作の内容と本筋は同じだがこちらはより具体的な添加物について詳しく書かれているのと、消費者の目線(なんとなくより綺麗、形の整った野菜を選んでしまう等)について詳しく書かれている。
    前作同様結論は手間をかけて食事を作ることとなっているが実際難しいしそれを追求すると共働き家庭は死ぬし母親の罪悪感も重なるので、やはり時短家電の活用が現実的アンサーな気がする。より少ない調味料で効率的に調理するという切り口ならやはり勝間和代さんの本を参考にしたい。

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著者プロフィール

安部 司(アベ ツカサ)
安部司(70万部『食品の裏側』著者、「無添加の神様」とも呼ばれる)
1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。
NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。一般社団法人加工食品診断士協会の代表理事。
2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、新聞、雑誌、テレビにも取り上げられるなど大きな反響を呼んだ。現在70万部を突破するベストセラーとなり、中国、台湾、韓国でも翻訳出版されている。その他の著書に『なにを食べたらいいの?』(新潮社)、『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)、『「安心な食品」の見分け方どっちがいいか、徹底ガイド』(祥伝社)などがある。

「2021年 『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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