本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988111289636
感想・レビュー・書評
-
増村監督作品にしては比較的オーソドックスな裁判劇だな、と思ってみていたけれど、最後の最後で深い谷底へ堕ちていくような結末が待っていた。
正直言って、裁判劇はそれほど面白くない。ザイルを切ったのが意図的であろうとなかろうと、あの場面ではそれを罪に問うことはできないのでは?とずっと思いながら見ていたからだ。この物語の真の姿は、長い裁判劇が終わったところから始まる。そこまでがかなり長いのでちょっと飽きてしまうところもあるけれど、その後の展開はとても良い。
若尾文子というのはすごい女優さんなんだな、とこれを見てあらためて思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北穂高山麓を登るパーティのひとりである大学助教授・滝川(小沢栄太郎)が墜落死。そのザイルを切ったのは妻の彩子(若尾文子)。同じくザイルに繋がれていた彼女の愛人・幸田(河口浩)の命を救うためであった。やがて殺意の有無を問う裁判が始まるが、その中で彩子は…。
法廷ではザイルを切った彩子に殺意があったのか、それとも「緊急避難」によるものなのかが争われますが、真相に大きな捻りやオチがある訳ではありません。しかし、そこから人間の業の深さが顕になる展開がスリリングで観応え十分。特に幸田の会社に彩子がずぶ濡れでやって来るシーンはゾッとさせられます。
ただ、彩子が簡単に保釈され愛人と密会する、検察側が控訴せずあっさり引き下がるところはご都合主義的でリアリティーを欠いてしまっているのが残念です。