白暮のクロニクル(1) (ビッグコミックス) [Kindle]

  • 小学館
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感想 : 10
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  • ゆうき まさみ『白暮のクロニクル』(はくぼのクロニクル)は、オキナガ(息長)という不老長寿者が存在する日本を舞台とした漫画である。しかし、オキナガの謎に迫るというより、オキナガを道具として人間を描く要素が強い。同じ著者の『機動警察パトレイバー』も人型ロボットの漫画であったが、ロボットバトル以上に企業の陰謀や公務員組織の機能不全が描かれた。本作品も公務員組織の責任逃れやセクショナリズムが描かれる。
    最初は冤罪が描かれる。警察の見込み捜査で冤罪が生まれる。一度目をつけたら、疑い続け、任意の事情聴取名目で相手の生活を妨害する警察の嫌らしさが描かれる。ドラマ『99.9 刑事専門弁護士』でも冤罪事件の真犯人は警察官であった。「まず警察官を疑え」が常識になるかもしれない。
    警察不祥事と言えば組織的構造的な問題を先ず頭に浮かぶ。それは重要な問題であるが、それは若い警察官を組織の被害者のように見てしまう弊害がある。しかし、埼玉県警の警察官の詐欺のように若い警察官が警察犯罪の主体になる。埼玉県警草加署巡査(22)は死体検案名目で遺族から現金82万円をだまし取った。埼玉県警川越署巡査(25)は遺族に遺体の防腐処置費用として現金50万円をだまし取ろうとした。
    警察官が半グレ・ヤンキーと個人的な繋がりを持ち、その利益のために行動することもあるだろう。これらも民間感覚では当たり前のガバナンスが機能していない組織の問題であるが、末端の公務員は真面目という昭和的な感覚は誤りである。

  •  吸血鬼とも言える不老不死に近い存在、“オキナガ”。彼らをターゲットにした連続殺人が発生する。犯人の目的は、そして12年ごとに起きる猟奇的女性殺人事件とは?見た目は美少年のオキナガ・雪村魁と厚労省職員の伏木あかりが、オキナガに関わる事件を追う。

     推理ものというか、サスペンス系?
     一応は吸血鬼ものでもあるのだろうが、オキナガは生き血もまず吸わないし、人間離れした身体能力や特殊能力も無く、日光に弱くて死に難い不老者という程度。「ポーの一族」よりも無害。バリバリの吸血鬼ホラーを期待してはいけない。
     ただし、違う方向性のホラーではある。ゆうきまさみらしいギャグ混じりの、比較的のんびりムードの展開だが、スプラッタなシーンも結構あるので苦手な方は要注意。
     個人的には、この絵柄でシリアスなシーンというのはどうも違和感が。ギャグやコメディ感あふれる他作品のイメージが強すぎて……。

  • ゆうきまさみの新しい連載はこれまた。オキナガ。なる年をとらない不思議な人間の物語。ふしぎちゃんと雪村と。なかなかいい味だしている久保園さんと。面白そう(というにはちと不謹慎なニオイもするが)「だからあーゆー態度はやめろと何度も言ってるんですよ!つまらないトラブルの元になるだけなんだ!!」うん。久保園さんはまともなことをおっしゃってる!

  • 2014 5/2読了。Kindle版をiPhoneで読んだ。
    ネットで話題になっているのを見てどれどれ・・・と思い買ってみた本。
    年齢も重ねず病気にもかからず、頸動脈切られたくらいじゃ生き返る、オキナガという長命の人類が存在する世界で、其れを担当する厚労省の新人職員と、オキナガに関わる犯罪を追う当人もオキナガの探偵役を中心にした・・・サスペンス?
    組織の感じとかその中での個人の有り様とか、パトレイバー漫画版の派手なロボットバトル以外のところ取り上げたような感じでゆうきまさみっぽい。
    引き続き電子版で読もう。

著者プロフィール

漫画家。1957年北海道生まれ。80年デビュー。『究極超人あ~る』で星雲賞マンガ部門、『機動警察パトレイバー』で小学館漫画賞少年部門受賞。近作『白暮のクロニクル』『でぃす×こみ』『新九郎、奔る!』。

「2019年 『ゆうきまさみ 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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