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- / ISBN・EAN: 4988105068957
感想・レビュー・書評
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ストーリーがちょっと古典的な内容すぎて、感激はしなかった。
雰囲気はすごく好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原作が好きで、好きな俳優さんがたくさん出てるので楽しみにして観たんだけど…。
期待してたほどわくわくしなくて。
長いし。いや、小説も長いんだけど、長さの問題じゃないのか…。何がもやもやしてるのか観てからずっと考えている。たぶん、原作の小説の面白さは、漠然としたイメージで知ってるような気になっていたあれこれが、個人的な内側の視点からことごとく具体的に描写されるとどんどん違う姿に変わっていく、足場をはずされていく快感なのだと思う。女中さんってこんな感じ、親密な人間関係といえば異性ならこう、同性ならこう、昭和初期の日本の風俗ってこんな感じ、当時の日本人の意識って、庶民の政治的感覚って、戦時中の庶民の暮らしって、子供って、家族って、夫婦って…
…じゃないのですかっ??ええ?そんなん、思ってたのと違う!
そもそも、教育を受けていない老人の回想、という超個人的な視点で書かれてるので、何かを代表してるわけでも何かに沿ってるわけでも何かに責任を負うてるわけでも、何かに忠実であるわけでもない。本当のことは何もかかれていない可能性もある。いや、そもそもそのほんとうのこととは誰が決めるのか?
じゃあ、これは何なの?夫婦愛でないなら何なの?恋愛でないなら何なの?戦争肯定派じゃないなら何なの?
…何なのかを何のひとことでいえないからこんな長い物語になるわけで。
こういうふうにしか描写できない、ひとつの世界観と言うか立場というか、言い分というか、があるわけで。映画では、それらが「家族」「昭和」「戦争」「庶民」「恋愛」「友情」「やさしさ」「人生」「愛」…他のもので説明のつくものに還元されてる感じがして、なんだかなあというか…。
せっかく正解より素敵な答えを探すべく作られたものを使ってわかりやすく正解を提示してるような映画だなあというか…
内部から観たらいちいち矛盾があって、混乱があって、雑音が多くて、力技でむちゃくちゃしないと描写すらできないようなあれやこれやを、
上から俯瞰してすべて均等に均してすっきりと提示するような映画だった。
この監督の映画はそうでなければならないのか。
何よりも問題なのは、おうちがあんまり素敵じゃないことだと思う。 -
なんだくだらない、と思いながら、
「私ね、長く生き過ぎたの」という台詞に恥ずかしげもなく号泣。