安楽椅子探偵アーチー [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • 誰も死なない日常謎ミステリー。
    何十年か前のある日意思が宿った安楽椅子のアーチー。それを骨董屋で見つけ購入した小学生とコンビを組み様々な謎を解決していく。
    家庭科の授業中に誰かによって破損させられたナップサック。
    社会科見学の際の写真を見ていると怪しい行動をしていた女が写っていた。
    アーチーの古い友人を追うと襲ってくる事件。
    個人的にすべて好みのお話。
    誰かが殺されたり決定的に傷つけられることがないので、子供が読むのも面白いかも。

  • 安楽椅子が安楽椅子探偵という子供だましのようなネタの作品だがなかなか面白かった。

    小学5年生の及川衛は,自分の誕生日プレゼントを買うために母から渡されたお金を持ってお店に行く途中の骨董品店の店先に展示されていた安楽椅子に魅了されてしまい,新作ゲーム機を買うはずのお金でその椅子を購入してしまう。
    その椅子に座って居眠りをして変な夢でうなされて飛び起きた後,椅子が喋ることが分かる。衛が学校で起こった不可解な事件のことを椅子に相談すると,椅子は見事にその事件の謎を解き明かす。衛は椅子にアーチーと名付け,身の回りで起きた事件について相談するようになる。一方,アーチーのために何かできないかと尋ねる衛に,アーチーは先のことになっても良いので60年くらい前の2番めの所有者だった市橋信吾という男を探してほしいと頼む。

    「首なし宇宙人の謎」
    クラス一の秀才中西くんは家庭科が苦手で,作品展のためのナップザックづくりに苦労していた。放課後に家庭科室でなんとか完成させようと取り組んでいる時に,担任の先生が家からの電話だと言って中西くんを呼びに来る。中西くんは職員室に行くがもう電話は切れていて念のため家に電話しても電話なんて掛けてないと言われたという。しかし,中西くんが家庭科室を離れている間に中西くんの作りかけのナップザックが半分にざっくり切られてしまっていた。家庭科準備室には先生がいて誰も家庭科室には来ていないという。犯人探しが始まるが,誰もやっていないと言うし,中西くんは誰も嘘はついていないと言い切る。そして自分も嘘をついている。といって,結局有耶無耶になってしまう。一体何が起きたのか。
    「クリスマスの靴の謎」
    衛の父が何故か男物の靴の片方だけ持って帰ってくる。父の帰り道,酔っ払いに絡まれた男が怒って靴を脱いでその靴で殴りかかろうとしたらしい。ちょうど警官が来たため,男は靴を放って行ってしまったという。父は衛に駅近くの交番に落とし物として届けるように頼む。
    一方衛は居間にあった週刊誌に載っていた,中1の天才バイオリニスト恩田茜の誕生パーティで起こったというコサージュの花の消失事件が気になっている。この2つの事件について衛はアーチーに相談するが。
    「外人墓地幽霊事件」
    学校の社会見学で山手の外人墓地を訪れた衛は,同じ班の野山芙紗が妙なものを発見しそれが暗号ではないかと言い出す。それと現地で見かけた挙動不審の女性が関係しているのではないかと疑う。野山はアーチーにも相談しつつ,外人墓地をその後も訪れて真相の救命を目指す。
    「緑のひじ掛け椅子の謎」
    野山が月刊ミステリー誌の新人賞応募作の中に,あらすじでアーチーの昔話とそっくりなものを見つけたといってくる。衛と野山は応募者が市橋信吾と関係があるのではないかと考え,アーチーに内緒で調査を始めるが...。

  • 主人公の男の子がかわいい。ひとつひとつの謎と2番目の持ち主についての謎が交差しながら物語が進むのもたのしい。

  • 「安楽椅子探偵」ですが、なんと言葉通り「椅子」が探偵です。図書館で「人間が探偵役じゃない作品特集」で置いてあったので借りてみたという。
    あとなんか表紙が妙に怖いですが実際は主人公は小学生男子でわりとほのぼの日常の謎系のミステリです。楽しく読めたんですが、評価としてはまあぼちぼち。個人的に「日常の謎ミステリ」がそんなに好みじゃないってのが大きいですね。最後の「アーチーの謎」がちょっとピリッとした内容ではありましたが、まあ小学生が主人公である以上そんなに大きな展開にはならないですし。

    ちなみに読んだのは文庫版なんですが、アマゾンには電子書籍版しかないんですね。

  • 最高

  • 安楽椅子が、探偵。
    まさかの設定ですが、やはり安楽椅子探偵。
    可愛らしいお話です。

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著者プロフィール

一九六〇年、石川県生まれ。会社勤務を経て作家になる。八九年『異次元カフェテラス』を刊行。九一年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選。主な著書に「ニャン氏の事件簿」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『九月の恋と出会うまで』『嵐の湯へようこそ!』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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