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感想・レビュー・書評
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P.2109/12/26
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私たち人間が、コトバを使ってどうしてコミュニケーションができるのかということを根本的に考える。それが、言語学であるなら、いままで私は何を使ってコミュニケーションをとってきたのか。コミュニケーションは取れていなかったのではないか。
○文字が作られたということは、人間が自分のコトバについて、相当に深くて正しい分析が行えるようになったということ。
○ギリシア人の考えた品詞というのは、コトバを作っている大切な単位である単語が、一体どんな働きをしているのかを、正確に理解した上で設けられたものである。
○言語に共通のしくみがある。
○主語とか目的語のような働きを表す名詞の形を「格」と言う。
○私たちがそういういろんな違った音を、何らかの基準に従ってある特定の音だと認識しているのだろう。
○音素というのはあくまでも、人間の頭の中にある「映像」のようなものなので、具体的な音とは違って抽象的な性質をもったものだ。
○ラングというのは、法律とか政治などと同じ社会的な制度の一つで、ある社会に属している人々なら受け入れなければならないものだ。
○人が生まれてからある言語を使えるようになるためには、そういうラングの決まりを覚えなければならない。
○ラングが「顕在化」したのがパロールだというわけなのだが、ソシュールにとってパロールというのは、何より具体的な「音」です。
○意味(所記)と音素列(能記)
○単語の能記と所記の間に何の関係もないという性質を、ソシュールは「言語記号の恣意性」と呼んでいる。
○単語の意味というのは、現代なら現代という時代を区切って、その同じ時代に使われている他の単語の意味との関係だけで決まってくるのだ。
○特定の時代における言語の状態を「共時態」と呼ぶ。
○コトバを作っている個別的な要素の変化を「通時態」
○誰が分析しても必ず同じ結果が導かれて、その結果が正しいかどうかを客観的に判定する方法がなければ、学問的に妥当な分析だとはとても言えない。
○単語というのは、時点とか場所とか、そういう具体的な条件によって指すモノはいろいろと違うけれども、それでも共通の性質をもっている、同じモノだと考えられるような対象を表している
○異なった言語には同じ意味を表す単語などない。
○コトバのいろんな要素が体系を作るとしても、その中で少なくとも一つは価値が最初から決まっている要素がないことには、他の要素の価値はどうしても決められない
○たとえある程度たくさんの数の語句や文の意味を記憶することができたとしても、誰もが覚えている語句や文を使ってしか意味を伝えることができない。
○人間が言語を使う際には、頭の中にもっている、その言語の体系と構造についての知識が、伝達しようと思っている事柄に応じて効果的に使われるのだろうと推測される。
○要素の間にある関係性を重視したソシュールの学説は、「構造主義」と呼ぶ。
○体系の要素としての事物の集合体が、どんな基準に従って区分され、どんな働きをもって体系を構成しているのかが、お互いの関係を分析することで、そうではない場合よりもはっきりと見えてくる。