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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (408ページ)
感想・レビュー・書評
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こういう小説がわたしは大好きだー。
事件とか過去の謎はあるものの、派手なところはなくて展開もゆっくりで、大半はまあ、中年がぐだぐだ悩んだり、人間関係がぐるぐるしたりしているような話だから、退屈って思う人もいそうな気はするけれど、わたしとしてはすごくおもしろかった。あとがきにもあるように、中高年の成長物語だと思った。中高年になっても、あいかわらず、というか、中高年だからこそ、とり返せない人生だのなんだのがあってぐずぐずと悩み、しかもこれから先にそんなに希望はありそうにもなく、それでもまだ、いいほうに変われる、成長できるというのがすごくよくて。希望があって、読後感がよくて。
ニューヨークで暮らすいわゆる上流階級の夫婦、メイン州の田舎で暮らす貧しい母子、ニューヨークでひとりぼっちの冴えない男、移民してきたソマリ人、などなど今のアメリカのさまざまな立場の人の日常やその人間関係がうかがえるようなところもすごくおもしろかった。
風景描写や、なんてことはない会話なども、文章が好みで、いつまでも読んでいたい感じだった。もっと長くてもいいのにーと思うくらい。
こういうタイプの小説をもっと読みたいー。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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