物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書) [Kindle]

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  • 「フランス革命のことをざっくりと知りたい。」「文学・歴史・思想史を学ぶ上で背景を知りたい。」など様々な要望に応えてくれる一冊。新書のため読みやすいにもかかわらず、細かなところまで記載されており、革命の大枠を掴むことができる。
    略年表に文献案内と研究のために必要な手引きも付録している。
    研究ではなく、フランス革命に興味があるという人も読みやすい一冊であるとお勧めできる。

    中央館2F:文庫・新書コーナー

  • フランスの歴史、そして民主主義の歴史、つまりは世界の歴史の大きな変革であったフランス革命について、わかりやすく書かれていて、パリ訪問前に読んで良かった!
    これをきっかけにして、世界の歴史を少しづつ理解していきたい。

  • 人物に焦点を当てたフランス革命史である。
    フランス革命の主役といえば、ロベスピエール、サン・ジュスト、マラーを始めとしたジャコバン派の若い革命家たちが思い浮かぶ。彼らへの記述があるのは勿論だが、本書は、フランス革命に女性が活躍したこと、特にジロンド派の女王と呼ばれたロラン夫人だけなく、無名の女性革命家についても言及しており、フランス革命に果たした女性の役割を初めて知ることが出来た。一方で、あのフランス革命の理想のもとでさえ、革命が成し遂げられると女性の政治参画は認めない男の身勝手さには失望を禁じ得ない。

    ギロチンにより処刑される、ルイ16世に関しては著者の感情込みで大変詳しい。ルイ16世というと、些か鈍重なイメージがあるものだが、実は開明的で、革命初期にはそれを推し進めた大変な人格者、改革派であり、そして常に人民を思いやった心優しい、ある意味理想的な君主であったことが語られる。
    ただ1点、欠点があったとすれば、王政による統治以外は想像が着かなかった点だろう。
    ルイの家族、マリー・アントワネットはもとより、心優しき妹エリザベート、そして息子ルイ・シャルルの運命には涙を禁じ得ない。
    一方で、そのような王家を打倒しなければ現代に通ずる人民主権の民主主義社会が生まれなかったのは明らかで、ルイ16世王家への限りない同情を記しながら、血が流れざるを得なかったフランス革命の意義を著者は強調しており、それは納得できることだ。

    フランス革命を終わらせたのは、ナポレオンである。ロベスピエール亡き後政治を牛耳ったパラスらによる腐敗した総統制を廃し、皇帝として君臨したナポレオンについて述べた後本書は終わる。ナポレオンがイメージとは異なり、妻ジョゼフィーヌに夢中で戦地からも毎日手紙を送っていたあたり、フランス男性、そして浮気症のフランス女性の風俗も知ることが出来、興味深い。

    尚、後書きで著者は、より興味をもった人はフランス語を学んで以下の書をとフランス語文献を挙げてくれているが、それは正直辛い...。

著者プロフィール

フランス文学者。1944年岩手県盛岡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院修士課程修了。フランス政府給費留学生として渡仏、パリ大学等に遊学。執筆活動の傍ら、大学で講師も務めた。著書に『物語 フランス革命』『マリー・アントワネット』など。

「2020年 『サンソン回想録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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