DIさんの感想
2019年2月11日
2019-007『ブラックスワンの経営学』(井上達彦) 早稲田大学 教授である井上達彦氏による著書。経営学の中でも特に事例研究に着目し、著名論文の実例を挙げながら、事例研究の有用性について議論した一冊。統計的手法を用いた研究が「ある変数と別の変数がどの程度共変するか」を明らかにするのに対し、事例研究は「どの要因が、どのように影響するのか」を示すことができる、コンテクストに重きを置いた研究であると述べられている。振り返りバイアスなど、研究を進めるにあたって様々な課題を超えなくてはならない手法であるものの、やはり新たな視点を獲得することができる、有用な研究手法であると感じた。実際に研究を進めるにあたってヒントになる内容が多く含まれていたため、何度も読み返したい一冊である。
早稲田大学教授 「2022年 『キャリアで語る経営組織〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」