北朝鮮と日本人 金正恩体制とどう向き合うか (角川oneテーマ21) [Kindle]

  • KADOKAWA
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 8
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (157ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  アントニオ猪木と言えば日本の誰もが知る元プロレスラーであるが、彼がスポーツ平和党という政党を作って政治家になった時は正直なにをバカなことをと思ったものだ。候補者の知名度がモノを言う比例代表制なら彼のような有名人が当選することもあるだろうが、実際に政治の世界で功績を上げられるとは思えなかった。

     その後、彼の政治活動について特に注目していたわけではないが、どうも北朝鮮に思い入れがあるらしいことは知っていた。最近中東情勢の本を続けて読んだのでどうせならアジアのことも知っておこうと読んでみることにした。

     ジャーナリストの辺真一氏との対談形式のためサクサクと読み進められる。会話文そのまますぎる部分もあるが、猪木が北朝鮮と日本の交流に抱く想いの強さとそのルーツがよくわかった。彼自身が在日なのかと思ったがそうではなく、彼の師匠である力道山が朝鮮出身で、師の遺志を継ぐといった面が大きいようだ。

     副題の「金正恩体制とどう向き合うか」という点についてはあまり多く言及されておらず、全体に猪木が過去に行ってきた活動を紹介する本になっている。活動は主にスポーツイベントによる交流であり、その成果がどのくらい両国の関係に寄与しているかはまだ定かではない。いつか国交が正常化した後に語られることになるだろう。

     日本の政治家としては明らかに異色の存在だ。しかし正規ルートでの交渉が難航し関係が冷えきっている中で、彼のような「政治家らしくない政治家」がパイプを保ち続けることは大きな価値があると思う。今後もその姿勢を貫いてほしい。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1943年横浜生まれ。本名・猪木寛至。57年、家族とともにブラジルへ移住。60年に力道山にスカウトされて帰国し、日本プロレスに入団。同年9月、大木金太郎戦でデビュー。71年に日本プロレスを追放され、翌年、新日本プロレスを旗揚げする。ボクシングへビー級王者モハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」を行うなど、常に戦いの新たな地平を示し続け、プロレスの黄金時代を築く。89年には参議院選挙に出馬し、プロレスラー初の国会議員になる。98年に現役引退。2013年からは2期目の参議院議員を務め、19年に政界引退。おもな著書に『アントニオ猪木 闘魂語録大全』(宝島社)、『猪木力 不滅の闘魂』(河出書房新社)など多数。

「2022年 『最後に勝つ負け方を知っておけ。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アントニオ猪木の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×