北朝鮮と日本人 金正恩体制とどう向き合うか (角川oneテーマ21) [Kindle]
- KADOKAWA (2014年7月31日発売)
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感想・レビュー・書評
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アントニオ猪木と言えば日本の誰もが知る元プロレスラーであるが、彼がスポーツ平和党という政党を作って政治家になった時は正直なにをバカなことをと思ったものだ。候補者の知名度がモノを言う比例代表制なら彼のような有名人が当選することもあるだろうが、実際に政治の世界で功績を上げられるとは思えなかった。
その後、彼の政治活動について特に注目していたわけではないが、どうも北朝鮮に思い入れがあるらしいことは知っていた。最近中東情勢の本を続けて読んだのでどうせならアジアのことも知っておこうと読んでみることにした。
ジャーナリストの辺真一氏との対談形式のためサクサクと読み進められる。会話文そのまますぎる部分もあるが、猪木が北朝鮮と日本の交流に抱く想いの強さとそのルーツがよくわかった。彼自身が在日なのかと思ったがそうではなく、彼の師匠である力道山が朝鮮出身で、師の遺志を継ぐといった面が大きいようだ。
副題の「金正恩体制とどう向き合うか」という点についてはあまり多く言及されておらず、全体に猪木が過去に行ってきた活動を紹介する本になっている。活動は主にスポーツイベントによる交流であり、その成果がどのくらい両国の関係に寄与しているかはまだ定かではない。いつか国交が正常化した後に語られることになるだろう。
日本の政治家としては明らかに異色の存在だ。しかし正規ルートでの交渉が難航し関係が冷えきっている中で、彼のような「政治家らしくない政治家」がパイプを保ち続けることは大きな価値があると思う。今後もその姿勢を貫いてほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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