ドンケツ (1) (ヤングキングコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 少年画報社
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  • 『20年前、敵対する組事務所にロケットランチャーをぶちこみ、以来「ロケマサ」とよばれるならず者、沢田マサトシ。九州小倉を舞台にロケマサが暴れまくる!』

    今田勝とパンクブーブーの人がテレビで絶賛していたもの。正統派やくざマンガで、これは楽しめる予感。ヤクザを見ると因縁をつけて金を巻き上げる。組の見境がないので、破門にするが、そうするとタガが外れてさらにひどくなるので再度組員となる。彼にあこがれた内村タツオが子分として登場するあたりが今回のつかみ。

  •  たーしのヤクザマンガ『ドンケツ』(ヤングキングコミックス)の、既刊1~17巻を一気読み。「LINE マンガ」で無料で読める1~3話を読んだら面白かったので、手を伸ばしてみたもの。

     主人公「ロケマサ」の凶暴な風貌(上に貼った第1巻のカバー画のキャラ)がすごい。ヤクザマンガの歴史の中でも、これほど「カッコよさ」から遠いルックスをした主人公はほかにいないだろう。フツーのヤクザマンガなら“主人公の敵役”の顔である。

     ところが、外見も中身も凶暴そのもののロケマサが、読んでいるうちにだんだんカッコよく見えてくるのだ。

     ストーリーはわりと荒唐無稽。にもかかわらず、ヤクザ社会のディテールは非常にリアルだ。
     いや、私にとってはよく知らない世界だから、「非常にリアル」かどうかの判定は厳密にはできないわけだが、少なくとも「リアルだ」と感じさせる描き方をしている。
     ヤクザ専門ライターの鈴木智彦も、次のように評価している。

    《俺は確信してる。たーしー作の『ドンケツ』は、古今東西すべてのヤクザ漫画の中で一番面白い。文句ない。》

    《『ドンケツ』はカタギと警察の描き方もすごくうまい。舞台は北九州市で方言もすごくいい。これでダメならヤクザものは無理ってこと。司馬遼太郎じゃないけど、単純明快に面白ければそれでいいわけで、何重にもひねった哲学的解釈は不要。セリフがなー、ほんとにこういうこと言いそうなんだよなー。見事》

     鈴木は、『SPA!』に寄稿した「ヤクザを描いた映画や漫画、本職の人はどの作品がお好き? 」という記事でも、次のように書いている。

    《現在、どの事務所にいってもみかけるのが、『ドンケツ』(少年画報社)というヤクザ漫画だ。去年、全国のヤクザたちにアンケートをとった際も、ダントツの人気を誇っていた。元来、ヤクザだからといって、ヤクザ作品ばかりを鑑賞するというわけではない。にもかかわらずここまで現役から支持される作品も珍しい。》

     強烈な暴力描写が頻出するのだが、その大半が素手で殴りあう「ステゴロ」である点に美学を感じるし、エロ描写は皆無である点も好ましい。つまり、わりと「硬派」なヤクザマンガなのだ。
     あまり陰惨にならず、乾いた笑いが随所にある点もよい。

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