チーム (実業之日本社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 年末になると何度も読みたくなる。
    本書を読んでからは学連選抜(今は学生連合)が一番気になる。

    私もランナーなのもあって本当に同じように走っているように感じる。何度も読んでいるし内容も結果も分かっているのに、テレビで見ている箱根駅伝のようにドキドキワクワクヒヤヒヤする。もしかしたら結末が変わっているかも、と期待してしまうこともある。

    箱根駅伝の後のランナーたちの今後も気になるお話。

  • 箱根駅伝「学連選抜」の物語。
    箱根駅伝で出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」の選手達、彼らは何のために走るのか。

    箱根駅伝は興味がなく、「学連選抜」も知らなかった。
    折しも中央大学が予選落ちしたというニュースをきいたところ。
    箱根駅伝に興味が出てきた。
    (電子書籍 kindle)

  • 箱根駅伝を舞台に、予選会で負けた大学の成績上位者を寄せ集めた学連選抜の奮闘を描いた青春小説。

    あまりにも王道、ギミック無しの展開だがかえって青春の熱気を強く感じられた。これまでなんとなく駅伝を眺めていたことはあるが、これを読んでコースをこの目で見たくなった。

  • またまたKindle版セールで購入。

    箱根駅伝は数年前からなぜか大好きになり、
    必ず早起きして観戦している。
    いまいちその存在理由がわからなかった学連選抜チームに
    スポットが当たっており、大会に縁のない身でもなんとなく内側に入り込んだような気分になれた。

    学連選抜チームというのはあくまでもオープン参加であって、何位でゴールしても記録も残らないのが実際のルールであったと思うが、この小説の中では他のチーム同様順位も記録も残り、しかも10位以内でシード権を取れば翌年のシード校が9校になって予選会から参加するチームが11校に増えるという設定になっている。
    このルールは面白いと思うので、実際にも採用してほしい。学連選抜チームのモチベーションがぐんと上がる気がする。

  •  新年明けた一月二日から三日にかけて、東京と箱根の山を往復する過酷な箱根駅伝、それを走る大学チームの中でも特別なチーム――学連選抜を取り上げた、青春スポーツ小説です。

     私は、今まで箱根駅伝を取り上げた小説の中では三浦しをん先生の『風が強く吹いている』がとても好きだったのですが、箱根駅伝への出場を目指して予選会の突破を果たしたその作品とは逆で、この作品は予選会を突破できず自分の大学のチームとしては参加ができなくなってしまった選手たちの物語。
     毎年お正月に、テレビとラジオとインターネットを見比べながら応援をしている箱根駅伝ですが、今まで学連選抜に特別注目して観戦したことはありませんでした。
     四年間、苦楽を共にしてきたチームメンバーとは一緒に走れない箱根。彼らは出られないのに、自分だけが走る駅伝。箱根駅伝の、たった二日間のためだけに召集されたチームで、それが終わればもう顔を合わせることもないかもしれないメンバー。予選会敗退という、箱根駅伝を目指して走ってきた選手からしたらどん底のような状況から、『寄せ集め』のチームで走ることになった彼らのモチベーションがどんなところにあるのか、この話を読んで改めてとても興味が湧きました。
     ずっと故障に苦しんできた、チームのキャプテン。故障知らずで他人のことなど我関せずの、異次元の走りをする絶対的エース。初めはバラバラで、どこからどう見ても『寄せ集め』の学連選抜が、ちゃんと一つの『チーム』になれるのか、それとも最後までただの『各校の有力選手の集まり』で終わってしまうのか。途中何度もハラハラとしながら読み進めていました。

     いい意味で、物語らしい物語。
     それなのに、いい意味で、リアリティがある。

     長距離を走っている選手の、走っている時の心理やどういう駆け引きをしているのか、覗き見ることができてとても読み応えがありました。
     ただ速いだけでは強いとは言えない。
     誰かの走るということが、どういうことなのか。一つの答えを見たような気がします。
     今年の間に読むことができてよかったです。
     来年の箱根駅伝で、いつも応援しているチームももちろんですが、学連選抜の選手にも注目していきたいと思います。

  • 箱根駅伝予選会にて、チームとして出場の逃した選手たちが箱根を走る。
    駅伝は、個人種目でありチームとしは走る気持ちが必要ですね。
    個性の強い人もいれば、協力できる人もいる。
    各ランナーたちの走行中に考えいること、思っていることがよく分かります。

  • 箱根駅伝について詳しくなる
    来年の駅伝を見るのが楽しみだ

  • 2023/1/16

    910||ドウ (3階文庫)

    今年の箱根駅伝見ましたか?
    1区で最後には抜かれましたがダントツ一位で走っていた大学は?
    「関東学生連合チーム」通称「学連」でした。
    予選会で個人のタイムはよかったが大学としては出場できない選抜メンバーで構成されています。
     通常の大学チームとは違い、練習時間も短く、チームとしてまとめるのは難しいが、それを乗り越え箱根駅伝で結果を出すにはどうすればいいか?
     チームをまとめるとはどういうことか?
    今年の箱根駅伝1区を見ながらこの小説を思い出しました。

  • 箱根駅伝の余韻に浸るべく読んだみた。箱根駅伝がテーマのフィクションでは最高峰かと。

    毎年楽しみにしている箱根駅伝が終わる。ロスを埋めるべく箱根駅伝に関する本として思い出したのが本書。予選会で本戦未出場の上位の選手を集めた学連選抜。平均タイムだけなら上位チームと同レベル。ところが毎年この選抜チームが最下位争いなのが駅伝の面白いところ。メンバーの絆は平均タイムを超える。個人競技である陸上にチームの概念が加わると全く異なるドラマが生じるのが面白い。

    本書はそんな学連選抜のドラマ。青学が復活を遂げる直前、あの原晋監督が学連選抜で好記録だったのが本書のモデルだったように思う。筆者も青学出身だし。

    1区から10区、ランドマークだったり高低差、海風など相当に現地取材をしたことを感じる。まるで読者も選手と一緒に走っいるかのような錯覚に襲われる。

    箱根駅伝テーマのフィクションでは最高峰の一冊でしょう。

  • 大満足の一冊。 箱根駅伝の学連選抜という寄せ集めのチームの物語。駅伝スポーツ小説とも読めるが、個性的なメンバーをまとめるチームビルディング、若手メンバーの挫折、天才の気づき、凡庸なキャプテンの努力、冷めたメンバーの熱い情熱、色々なことが書かれていて楽しめた。中でもマラソンランナーの孤独、ライバルの足音、自分の体との会話、怪我への恐怖、トラウマ、その描写は、素晴らしい!

    印象に残った台詞。
    チームビルディングでの目標設定で注意しないとならないことを的確に表現している。

    "マイナスのチーム効果だ、と浦は唇を噛んだ。目標に向かって一丸となるのは、チームが一つであることのプラス効果だが、その状態は危険性も孕んでいる。目標に到達できなかった時、目標があまりにも遠いと感じた時、今度は全員が下を向き、一斉に後ろ向きに考え始めてしまう。負のスパイラル"

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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